安全は目に見えない。クシタニが縫製技術にこだわる理由

  1. 日本のものづくり

クシタニが持つ縫製技術。そこには、ライダーの『安全性』と『快適性』が第一、という考えが根底にあります。

ライディングギヤは普段、街で着るような服とは違い、バイクで走る過酷な条件のもとで使用されます。市街地などの街乗りやツーリングの高速巡行、ワインディングといったシチュエーションに加え、気温や天候も本当に様々です。そんななかで高い安全性と快適性をあわせ持ったライディングギヤを作り上げるためには、まず素材となる革選びが重要となることはもちろんですが、それだけでクオリティの高いモノを作り上げることはできません。

たとえば、優れた強度を持つパーツをバイクに使ったとしても、それを取り付けるためのボルトの品質や締め付けが悪ければ、安全なバイクだとは言い難いでしょう。

ライディングギヤにとっても同様です。縫製は、ライディングギヤにとって最も重要とされるポイントなのです。クシタニは、縫製に数多くのこだわりを持っています。まさに職人ならではの技術と経験によって、気が遠くなるほどの時間、そして手間をかけ、一着一着、丁寧に縫製を行っています。時間や手間を惜しむことなく、丁寧にライディングギヤと向き合う理由。それは、『最高の製品をみなさんにお届けしたい』という理念に基づいた、モノ作りを行っているからなのです。

クシタニが誇る、こだわりの縫製技術

それでは、クシタニで実際にどのような縫製が行われているのか、その一部をご紹介しましょう。

たとえば曲線部分の縫製。アールの内側と外側では、当然距離が異なります。内側の方が短く、外側の方が長いというわけです。これを普通に縫製してしまっては、革がつっぱったりシワが出てしまうことはもちろん、縫製する糸に無理な力がかかります。無理な力が縫製糸にかかれば、それだけ破損する可能性が高くなってしまうことは、簡単に想像ができます。

しかし、クシタニではこのような問題が起きないよう、曲線部分の革に余計なテンションがかかることのないような独自の縫製方法をとっています。

また、ステッチラインの外側にある縫いしろについても、縫製後の縫いしろ処理にもこだわりを持っています。これが不完全な場合には、着用時に違和感を感じることも。クシタニでは縫製後の縫いしろの始末や仕上げなどを、最適な着心地を実現するため、丹念に仕上げています。

KUSHITANIレザーの縫製では、革が持つふんわりとした質感としなやかな感触、そして優れた耐久性を生かす方法を採用しています。KUSHITANIレザーの特長を最大限に生かすカギは、縫製が握っていると言えるのです。レザーの伸び率に合わせて糸の材質や縫製ピッチなど調整したり、強度を高めるため部分的に縫製ピッチなどを変えて、全体的な強度と運動性のバランスを取っています。

縫製するための糸にまで及ぶ心配り

そんな縫製の基本となる、縫製糸。特にレザー製品には、ナイロン糸を使用しています。強度や伸縮率など長年蓄積されたデータから、これが最適だと考えるためです。糸は、それ自体の性能はもちろんのこと、革との相性、ライダーが使用する環境などを考慮し、最も安全性に優れた物を選択しています。

また、もし糸が一本切れてしまったとしても、その部分が裂けたりしないよう、クシタニのウェアは二重、三重のステッチがかけられています。クシタニはライディングギアにとって危険、もしくは重要と思われるポイントをすべて把握し、そのうえでこのようなステッチを施すことを、独自に設定しました。

このようにして、クシタニのウェアは最高のクオリティを持ったギアとして生み出されています。

世界初、クシタニが発信したデザイン性高いレーシングスーツ

安全性と共に、クシタニはスーツ自体のデザインを美しく仕上げるため、デザイン縫製も熟練の職人の元で仕上げています。糸一本でもずれてしまえば縫製ミスになるほどぎりぎりを縫っていくことで、長く使っても革の縫いしろがめくれたり、引っかかったりしないようになっています。

レーシングスーツにおいては、世界的にもデザインされたものが一切なかった時代に、クシタニは初めてデザインの入ったスーツを発表し、世界に向けて日本の縫製技術の素晴らしさを示してきました。そして、そんなクシタニのレーシングスーツは、ワイン・ガードナー、ランディ・マモラ、サイモン・クラファー、阿部典史、ロン・ハスラム、ケビン・シュワンツ、ヤーノ・サーリネンなど、世界でも有数のトップライダーたちに愛されてきたのです。

その美しい縫製は、現在にかけて多くのライダーから評価されています。デザインを追求するなかで生まれたのが、“Kマーク”のデザインです。クシタニは、時代と共にデザインを変えながら、伝統のKマークデザインを日本、そして世界へリリースし続けています。

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