ライダーを守るレーシングスーツ、その原点はパターンにあり

  1. 日本のものづくり

パターンは、ライディングギヤのいわば設計図。クシタニでは長年にわたるライダーとの信頼関係をもとに、優れたパターンを構築しています。優れたパターン、それは確実な『安全』をライダーに提供します。

パターンとはライディングギヤを作るための型紙のことで、これで形や模様などを指定します。パターンにも立体裁断と平面裁断があり、クシタニでは人型の模型などから実際にパターンを作る、立体裁断を採用しています。

ライディングギヤは、普段わたしたちが着る衣服とはまったく違うもの。クシタニは、バイクに乗るうえでの機能性を考え、ライディングフォームをもとに設計を行っています。

こうしたクシタニのライディングギヤのパターンのおおもとには、半世紀にわたる歴史のなかで蓄積され、熟成されたデータがあります。新製品を開発するときも、開発してきたパターンをベースとして、新しいものとの融合を行っています。

パターン技術のこだわりと進化は、クシタニの歴史とともに歩んできました。パターンは、デザインによって切り替えたり重ねたりするのですが、そこには確固たるルールが存在しています。

たとえば、革素材の場合は極力切り替えを少なくします。革一枚、そのままの状態をできるだけ保った方が、安全面を考えればベストだからです。切り替えが多くなり、ミシン目が多くなればなるほど、転倒時におけるダメージは大きくなる可能性があるのです。

ただ、ここにも細かやかなルールがあります。ただやみくもに切り替えを少なくすればいい、というわけではありません。絶対に切り替えてはいけない部分と、そうでない部分を明確にすることで、クシタニはよりクオリティの高いライディングギヤを生み出しています。

本当に必要な個所に、必要な物を

レーシングスーツでは、シャーリングを入れる位置やサイズ、向きなどにも、クシタニならではのこだわりがあります。シャーリングとは、革をぎゅっと収縮させ、柔軟な伸縮に対応できるようにした部分のこと。レーシングスーツでは腰やひじ、ひざ部分などに入っています。

クシタニでは、シャーリングを入れた方がデザイン面にプラスとなる場合でも、安全性を重視して、あえてシャーリングを外すこともあります。本当に必要な箇所に、必要な物を装備する──。それこそが、クシタニの考える“モノ作り”だからです。

パターンはライディングギヤが完成したときの、表面の突起や起伏まで考えて設計されています。もしもレーシングスーツの表面によけいな突起などがあれば、転倒して路面とライダーの体が接触したとき、引っかかりなどが生じて体が無理な状態になることもあります。レーシングスーツ表面の突起や起伏にまで心を配ることで、ライダーのダメージを最小限にすることができるのです。

パターン製作はライダーを守り、安全性の高いライディングギヤを生み出すうえで、とても重要なポイントなのです。

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