バイクのキャリアがあるか、クシタニを知らなければ、プロショップは敷居が高い
バイクから離れた人や乗らない人も自然と足を運べる“柔らかいクシタニ”がここにある
たゆまぬ進化 × 変わらぬ伝統
日本で初めて革製のレース服、いわゆる“革ツナギ”の製作から歴史を刻むクシタニ。レザースーツはオーダー時の採寸に始まり、転倒後のリペアなどアフターケアも重要だ。もちろん革ジャケットやテキスタイルの製品も、フィッテイングからメンテナンスまで、製品を販売するだけに止まらない。そのためクシタニは「プロショップ」という形態で商品の販売を進めてきた。
それは広い意味でクシタニの品質を堅持するためにも大きな意味がある。しかし、バイクの経験が浅かったりクシタニの存在を知らないライダーがプロショップに訪れることはほとんどないのが現状。バイク趣味に関わらず、専門店に敷居の高さを感じるのは致し方ないところだ。とはいえブランドの周知や新規の顧客という部分で有利なバイク用品店での販売は、クシタニの考える販売パッケージが成立しない。
そこで誕生したのが「パフォーマンスストア」。その第1号店は、新東名高速道路の清水パーキングエリアのネオパーサ清水の中にある。かつての高速道路のPAといえば、休息や軽い飲食が目的で、買い物といってもお土産まで……といった印象だろう。オープン当初は、PAでプライスが万円単位のバイク用品は売れない……と思われたが、どうやらそれは古い常識だったようだ。

「バイクとまったく関係ないお客様が、通りがかりに革小物を購入してくださいます。また、お洒落なクルマに乗る方にカジュアルなシングルライダースを購入していただくこともあります」と店長の宮城島さん。 しかし革小物といっても、ウォレット類は決して安価ではない……。

「高速道路のPAという立地のためか、バイクに乗らないお客様は数回立ち寄ってポンっと購入、というパターンが多いかもしれません。反対にライダーの方は“寒いからインナーありますか?”という場合もありますし、ツーリングの道中で寄ってくれたりする常連さんもたくさんいます。いずれにしても、お店はドアがないオープンな作りなので、気兼ねなく覗くことができるのではないでしょうか。現在はスタッフも女性が多いので、バイク特有のハードな感じもないですし(笑)」
じつはパフォーマンスストアには、プロショップやウェブ販売で扱っていない限定商品を多数用意している。しかもキーホルダーや手拭いなどは清水店限定でもあるため、それ目当てのコアなクシタニファンもいるという。いずれにしても限定商品はウェブサイトやカタログにも掲載されていないので、直接店舗に足を運ばないと目にできない。じつはそこもコンセプトのひとつだ。
「バイクに乗らない、クシタニを知らないお客様は“一度限り”かもしれません。でも、それが富士山マークを知るキッカケになって、いつかバイクに興味を持った時に“そういえば……”と思い出して貰えるかもしれませんから」

とはいえレザースーツやジャケット類も販売しているから、当然ながらプロショップ的な対応も必要となるのでは……?
「もちろん商品知識を高めることは大切ですし、社内研修等もあります。しかし、クシタニを知っているお客様は、新製品情報をしっかり見てから来店される方も多いですね。店舗の面積も相応に広いので、多くの新製品を展示していますし、年中無休で営業時間も長いので、東京や名古屋方面から見に来られるお客様もいます。反対にバイクに乗らないお客様に“これは何?”と聞かれ、そこから会話が広がることも多いです。そんな出会いも楽しいですね」
そんな少し立ち位置が変わったパフォーマンスストアだけに、昔はバイクに乗っていたけれど今日は家族とドライブで立ち寄った、という方が、ヨシムラとのコラボ商品を見ながら“ヨシムラというのは……”と息子さんに説明していたりすることもあるという。なかには店内に展示されているバイクに興味を持ち、教習所に申し込み、再び来店して教習用にグローブやブーツを購入された方もいたという。これはプロショップでは無かった話だ。
「バイクのお客様も専門的なことばかりではなく、ツーリングの話とかいろいろ会話が弾みます。プロショップと比べたら、ずいぶん柔らかい対応だと思いますが、それでも最終的に“クシタニってイイね”と感じて貰えれば、パフォーマンスストアの意義があると思うんです」







KUSHITANI PERFORMANCE STORE ONLINE 期間限定オープン!
通常パフォーマンスストアのみでの取り扱いのため、プロショップにお取り寄せもできない限定商品。
そんなレアな商品の数々を期間限定で通販できるサイトがオープンしています。
https://www.kushitani.tokyo/