オフテクをマナボウ「ジャンプに挑戦してみよう!」|KUSHITANI OFFROAD METHOD 12

“オフテクをマナボウ”では、全日本モトクロス選手権IA1クラスで5度チャンピオンを獲得し、世界選手権にも出場した経験を持つ山本鯨氏を講師に迎え、オフロードバイクのライディングテクニックを学んでいく。

 

#012 ジャンプに挑戦してみよう!

これまで、岩や木などの障害物を攻略するテクニックや転倒しないための方法、転倒した時のリカバリー方法、コーナーの曲がり方などあらゆる路面状況やセクションを乗りこなすテクニックを学んできた。今回は、モトクロスコースにあるジャンプセクションについてのテクニックを解説していく。

モトクロスコースにはジャンプが必ずある。地面を走るバイクが、地面と離れて空を飛ぶというのは、経験のない初心者にとってはかなり怖さを感じるかもしれない。しかし、ちゃんとジャンプの原理とそのテクニックを学ぶことで、安全に楽しむことができる。

ジャンプ時のNG行為

まず初めに、ジャンプ時に行うと危険なNG行為を解説する。

一つ目は、飛ぶ直前にブレーキをかけること。ジャンプに向かっていく際にフロントやリアブレーキをかけると、回っていたタイヤが急停止することでフロントが下がり、ジャンプ時に前転してしまうリスクがある。

一方、逆も然りで、ジャンプを飛び出す直前に、スピードが足りないといってアクセルを開け足すのも危険だ。例えば平らな路面で急にアクセルを開けるとフロントが浮いてしまうように、ジャンプ直前で急加速するとフロントが上がってくるのが想像できるだろう。その状態でリヤタイヤが離れると、後ろに一回転するような動きになり、空中でバランスが崩れてしまう。転倒を避けるためにも、ジャンプをする際は自然な流れに逆らわないことがベストだ。

サスペンションの動きを知る

ジャンプの飛び出しは上り坂になっていて、登り初めから飛ぶ直前までの区間でマシンがどんな動きをするかを理解することで、バイクがジャンプする原理を学ぶことができる。

サスペンションの中に入っているバネがジャンプの斜面に差し掛かると縮む。

一番深いところまで沈んだら、伸びていく力でマシンが浮いていく。これが基本的な動きとなる。ただし、基本的な動きを理解しても、怖さによって、例えばマシンが浮かぶタイミングでしがみつきたくなるだろう。しかし、これはマシンの正しい動きを押さえつけることになり、マシンのバランスを崩す危険性が高まってしまう。

安定して走るためには、まずはスピードは出さず、ジャンプも飛ばない状態でゆっくり走り、サスペンションの動きを知ることが重要だ。

マシンの動きに合わせて体を動かす

踏み切る前はしゃがみ、飛ぶときは伸びる。人間がジャンプする時と同じで、サスペンションが縮む時はしゃがみ、サスペンションが伸びる時は体も一緒に伸びていくのがベストな体の動きだ。ただし、サスペンションが縮んでいる以上にライダーが縮んだり、伸び切る前にライダーが伸びてしまうと、マシンの自然な動きを邪魔することになってしまい、バランスを崩してしまう。これを避けるために、マシンの動きに合わせることを意識してほしい。

アクセルコントロール

サスが沈み込むということは、斜面に差し掛かっているということ。そして、斜面に差し掛かった分速度が落ちるのを防ぐためにアクセルを開けていく。一方、サスペンションが伸びるということは、ジャンプの飛び出しが近づいているということ。アクセルを開けっぱなしで飛ぶと、フロントが上がってしまうため、サスペンションが伸び切るタイミング(踏み切った瞬間)にアクセルは全てオフにするのが安定感につながる。

もしわからない場合は、斜面で30%、沈み込んだ時に50%、飛び出す時に30%というイメージでアクセル開度を開け・戻し・開けするタイミングをはかってみよう。最初は怖いと思うので10%ほどの開度で調整しながら感覚を掴むといいだろう。斜面に差し掛かった時と飛び出しの時は同じ開け具合にすることがポイントだ。

今回はオフロードの中でもモトクロスという競技に絞り、その中でもジャンプというセクションのテクニックを学んだ。ジャンプは怪我のリスクが高く、恐怖心を感じる人も多いかもしれない。しかし今回学んだことを活かして、ぜひその楽しさを実感してほしい。

次回予告  コースを走ってみよう!

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