クシタニのモノづくりは、道具を超えた“信頼”の創造です。1947年の創業以来、一針一針に込めた職人の技が、ライダーの走りを支え続けてきました。進化し続けるその走りのために、私たちは妥協することなく挑み続けます。

レザースーツ専用の革

ロードレースに求められる性能を実現するために、クシタニでは産地の選定から原皮の種類、仕上げまで、すべての工程を専門スタッフが一つひとつ丁寧に仕上げています。こうして生まれる「クシタニレザー」は、しなやかで伸びのある質感が特長。ライダーの身体に自然になじみ、まるで素肌のような着心地をもたらします。



革職人

tanner

クシタニの原点は、戦後間もない1947年。浜松で革製品の製造からその歩みを始めました。当時はまだ、バイク専用の革が存在しなかった時代。私たちは安全性・運動性・快適性を追求するため、タンナーと共に“革づくり”そのものから取り組みを始めました。 現在では、プロトコアレザーやエグザリートレザーなどの高機能素材を独自に開発し、すべてに特許技術を採用しています。仕上げ、風合い、強度、撥水性、透湿性――そのすべては、ライダーのために。革に妥協せず、素材から製品、そして10年後の修理までを見据える。その姿勢こそが、クシタニのモノづくりの本質です。

裁断の極み

革と対話する職人の眼



裁断士

leather cutting artisan

「クシタニでは、型押しした革は使いません」。そう語るのは、レザースーツやジャケットの裁断を担う職人です。 革本来のしなやかさや風合いを活かすためには、伸ばしたり型押しした革では応えられません。表面に小さな傷があるだけで、転倒時に裂けるリスクが高まることもあります。だからこそ、私たちは一頭一頭の牛革と向き合い、裁断する部位を厳しく見極めています。 伸縮性、強度、風合い――部位ごとに異なる特性を、着用時の動きに合わせて読み解くことが裁断士の重要な仕事です。左右でわずかな違いがあれば、着心地に影響する。それでも私たちは、革を知り尽くした目と経験を頼りに、効率よりも品質を優先します。 一着を仕上げるために使うのは、およそ一頭半分の革。プロライダーのフィードバックを間近で受け取りながら、素材と製品をつなぐ責任を果たしています。 この確かな技術と姿勢が、クシタニの革への信頼を支えています。

細部の美学

ミリ単位で描く、ライダーのアイデンティティ



装飾職人

sewing technician

クシタニのレザースーツに施す装飾縫製は、繊細な手仕事の積み重ねによって生まれます。わずかに糸がラインから外れるだけでも全体の印象を損なうため、極めて高い精度が求められます。 文字幅は約2mm、革の断面は0.7mmという薄さで斜めにカットし、縫い代に段差や膨らみをつくらないよう仕上げています。これにより装飾は長く美しさを保ち、着用時の違和感も軽減されます。 見えにくい部分にこそ緻密な作業が重ねられており、効率や量産とは無縁の領域です。 装飾は単なるデザインではなく、耐久性や着心地、仕上がり全体の完成度に関わる“機能”の一部。 一針一針に込められた技術と意図が、クシタニのレザースーツの確かな品質を支えています。

徹底した縫製

一針一針に込める、立体という性能



縫製職人

garment maker

裏地まで含めると、クシタニのレザースーツは200を超えるパーツから構成されています。そして熟練の縫製士でも、一着を仕上げるには24時間以上を要します。 縫製は色ごとに進め、革の特性に合わせて糸を選ぶため、ミシンの調整にも時間をかけます。縫い方は一律ではなく、裂けにくさと動きやすさを両立させるため、部位ごとに異なる技法を採用。腕や脚などの筒状のパーツは、縫い順が限られるため、全体の工程を見通す力が欠かせません。 縫製のルールは「端から12mmを縫う」ことだけ。型紙にラインはなく、目印はわずかな“合わせ点”のみです。湾曲したパーツ同士を、経験と感覚で正確に縫い上げる――そこに立体を生み出す技があります。 強度を確保しながら、裏地は厚くならないよう繊細に仕上げる。その難しさを受け入れ、素材と向き合いながら一針ずつ形にしていく。縫製士は、職人であると同時に、設計者の意図とライダーの感覚をつなぐ存在です。