ビクトルのチャンピオン決定なるか。D.I.D全日本モトクロス選手権第9戦 第61回 MFJ-GP モトクロス大会

KUSHITANIは今季よりオフロードウエアを展開し、D.I.D 全日本モトクロス選手権2023シリーズに参戦中のオートブラザーズ所属ビクトル・アロンソと、TEAM YAMAMOTO所属の楠本菜月へシーズンを通してサポートしている。11月11日(土)〜12日(日)に行われた最終戦は、ビクトルのチャンピオン獲得がかかった一戦となり、その行方に注目が集まった。

4月に開幕したD.I.D全日本モトクロス選手権2023シリーズがついに最終戦を迎えた。会場は宮城県にあるスポーツランドSUGO。11月の東北は一気に冷え込み、当日は気温が10度を下回るほど寒く、観客とライダーともに防寒対策が必須となった。また、事前の天気予報によると雨が降る予定だったが、当日は2日間とも晴れ、ベストコンディションの中でレースが行われた。

ビクトルと横澤のチャンピオンをかけた戦い

KUSHITANIのサポートライダーであるビクトル・アロンソは、これまでIA2クラスでポイントランキングトップをキープし続けてきた。しかし、シーズン後半に入ってからはポイントランキング2位の横澤拓夢との差が縮まり、年間チャンピオンをかけたバトルは接戦となっていた。最終戦を前にしてビクトルと横澤の差は28ポイント。ビクトルがヒート1で年間チャンピオンを獲得するには、少なくとも横澤の前でゴールすることが必要となった。

決勝は日の入り時間を考慮して通常より5分短い25分+1周の2ヒート制で行われた。ヒート1、ビクトルはスタートで出遅れ、5番手から追い上げていく。出遅れてしまったものの、周回を重ねるごとに順位を上げていき、レース中盤で2番手に浮上する。一方、トップを走るのはチャンピオン争いをする横澤だ。ビクトルは横澤に徐々に近づくと、レース後半にはトップを巡る接戦を繰り広げた。両者の攻防戦は激しく、ラインを交差させながら、数周にわたりトップ争いが展開される。そんな中、ビクトルが冷静なライン取りで横澤の隙をつきトップを奪い取る。バトルを制したビクトルは横澤との距離を離していき、そのままトップでチェッカー。これにより、ヒート1終了時点でビクトルの年間チャンピオン獲得が決定した。

続くヒート2でも横澤とのトップ争いが展開された。ビクトルはスタート後4番手付近につけると、序盤で2番手に立ち、トップの横澤を追いかけていく。段々と距離が縮まり、レース中盤には横並びになる接戦に。ここでも両者譲らず、全力をぶつけ合う。一時も油断できない状況の中、ビクトルが一瞬の隙をついて横澤をパス。横澤も食らいつくが、そのまま逃げ切りゴールを果たした。

ビクトル・アロンソ コメント

「神経を使うレースだったけど、勝つためにベストを尽くして、両ヒート優勝できてよかった。そしてチャンピオンになれてとても嬉しいよ。チャンピオンになるまでは長い道のりだった。IA2クラスで勝つことは大変だったし、負けたレースもあったけど、最後にしっかりまとめることができてよかった! また、第3戦からクシタニのウエアを着始めて、レースを重ねるごとに、新しい素材を使用して作ってもらったり、彼らが進化しているのを感じたよ。彼らの進化に携わることができてとても嬉しい。来シーズンについてまだはっきりとは言えないけど、また日本でレースがしたいと思うよ」

超接戦の4番手争い

レディースクラスは通常通り15分+1周で決勝が行われた。楠本は序盤で7番手につけ、前のライダーを追いかけていく。序盤からトップ3との距離は開いてしまったものの、7番手の楠本から4番手までの4人の差はそれぞれ1秒を切る接戦で、熾烈な4番手争いが繰り広げられた。楠本は4人の中では一番後ろにつける状況で、懸命に前のライダーを追いかけていく。つかず離れずの距離が続く中、レース終盤で6番手に浮上。その後も追い上げていくが、ここでタイムアップとなり、結果は6位入賞となった。

楠本菜月 コメント

「最終戦は6位でした。まだまだ思うような走りは出来ませんでしたが、決勝では数台でのバトルをしたりと良い経験をすることが出来ました。今シーズンを振り返ると、怪我が多く、ノーポイントになってしまったレースもあり、そこから調子を上げることができず結果を出すことが出来ませんでした。これからのシーズンオフでは来年に向けてしっかりと鍛え直したいと思います。また、今年からクシタニウエアにチェンジしたのですが、とても動きやすかったです。特に破れやすい膝の内側部分がかなり丈夫で、破れる心配がなかったので、安心感を持って走ることができました。シーズン通してサポートしていただき感謝しています」

今大会でD.I.D全日本モトクロス選手権2023シリーズは幕を閉じた。ビクトルと楠本は今季の経験や悔しさをバネに、さらに強くなって来シーズンを迎えるだろう。今後も彼らの活躍に注目だ。

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