2018年の鈴鹿8時間耐久ロードレースが7月29日、幕を閉じました。台風12号の接近、通過にともない天候に翻弄された今年の鈴鹿8耐。そんな伝統的な真夏の祭典へ参戦したライダーふたりに、クシタニのレーシングスーツについて聞きました。
高橋裕紀 選手(KYB MORIWAKI MOTUL RACING)
2005年から2013年まで世界選手権で活躍したのち、2014年から全日本ロードレース選手権にモリワキから復帰。2018年も同チームから全日本を戦っている高橋選手。今年の鈴鹿8耐もKYB MORIWAKI MOTUL RACINGから、清成龍一選手、ラタパー・ウィライロー選手とともに参戦しました。
高橋選手のクシタニ歴は長く、世界選手権に参戦していた間も自分でレーシングスーツのメーカーを選ぶことができるときには、常にクシタニを選び続けてきたと言います。
「クシタニのレーシングスーツのいいところは牛革を使っていて丈夫という点。それから、いろいろな細部にこだわっていて、重くないという点です。重くないということは、体力の消耗の軽減や動きやすさにもつながります。動きやすい、つまりバイクの操作を妨げないんですね。(鈴鹿8耐では)1時間の走行を、3回も4回も行います。そんなレースでは、そういった“ちょっと”が積み重なってすごく効いてくるんです」
長年、クシタニのレーシングスーツを愛用し続けてきた高橋選手。そんな高橋選手が、インタビューのなかでクシタニとの印象的な思い出を明かしました。
それは世界選手権に参戦していたときのこと。チームが指定するヨーロッパメーカーのレーシングスーツを着ていたところ、転倒するたびに中身が削れてしまい、血が出てしまうこともあったそうです。
レーシングスーツがライダーの体を守ってくれるからこそ、安心して走行ができるもの。それはプロフェッショナルライダーであっても、趣味でサーキットを楽しむライダーであっても変わりません。そんな状況のなかで、高橋選手がコンタクトを取ったのがクシタニでした。
「シーズンの途中でクシタニに泣きついて事情を話したら、ひとつ返事でレーシングスーツを造ってくれました。いろいろな事情があるなかで、しかもシーズンの途中にいきなり行ってすぐに対応してくれたのは、すごく思い出深いです」
高橋選手の感慨深げな口調から、クシタニへの浅からぬ信頼感を垣間見ることができました。