KUSHITANIは2023年よりオフロードウエアを展開し、今季はD.I.D 全日本モトクロス選手権2024シリーズに参戦する5人のライダーをサポートする。4月20日(土)に開催された第2戦ではどんなバトルが展開されるのか。
4月20日(土)、熊本県にあるHSR九州にてD.I.D全日本モトクロス選手権2024シリーズ第2戦が行われた。大会は4月20日(土)に第2戦が、4月21日(日)に第3戦があり、2日連続で開催されるというイレギュラーなスケジュールで開催された。当日はお昼頃から雨が降り始め、路面状況は徐々にマディコンディションへと変化していった。
KUSHITANIは2024シーズンより、IA1クラスに参戦する#33ビクトル・アロンソ、#6⼤塚豪太、#8安原志、IA2クラスに参戦する#20⼩笠原⼤貴と#16ブライアン・シューという5人のライダーをサポートしている。開幕戦を経た彼らが、今大会はどんな走りを見せてくれるのだろうか。なお、第2戦より参戦予定だったドイツ出身のブライアン・シューは怪我により欠場。第4戦からの参戦を目標としている。
IA1クラス
ビクトルがトップで争う速さを見せつける
ビクトル・アロンソは、開幕戦で2ヒート連続表彰台を獲得。IA1デビュー戦にしてその実力の高さを見せつけた。一方、大塚豪太は総合7位、安原志は総合11位で悔しさを滲ませる結果となった。今大会は各ライダーさらに上の順位を掴み取ることができるのだろうか。
ヒート1は30分+1周で行われた。ビクトルは好スタートを決め4番手を走行。徐々に前のライダーと差を詰めていく。レースを重ねるごとにペースを上げ、中盤にはクラス内トップタイムを叩き出す。そのまま表彰台を狙っていくと思われたが、マシントラブルによりリタイヤ。悔しくもDNFという結果でレースを終えた。
一方、大塚は10番手から、安原は11番手から追い上げる展開となった。両者ともに近い順位からのスタートということで、ポジションを上げていく中で接戦を繰り広げていく。序盤こそ安原が前を走っていたものの、大塚が安原をパスし、レース中盤には立場が逆転。安原が大塚を追いかけていく。両者のラップタイムは僅差であるが、大塚が一歩リードし、安原との差を広げていく。結果、大塚が6位、安原が7位でチェッカーを受けた。
15分+1周のヒート2では、ビクトルがホールショットを獲得し1周目からジェイ・ウィルソンと激しいトップ争いを展開していく。ウィルソンのプレッシャーを感じながらもビクトルがトップを守り1周目を通過。その後も攻防戦が続き、2周目でビクトルが2番手に後退するが、ウィルソンに引き離されることなく1秒ほどの差を保ってレースが進んでいく。差を詰めていきたいところでタイムアップとなり、2位でフィニッシュとなった。
一方、大塚は序盤で11番手につくと前のライダーを追っていく。雨が降り、滑りやすいコンディションで、前のライダーと一時差が開く場面もあったが、諦めずに走り切り10番手でゴールを果たした。また、安原は8番手から徐々にペースを上げていき、レース序盤で7番手につける。しかしそこからペースを上げきることができず7位でフィニッシュ。
ビクトル・アロンソ コメント
「ヒート1はマシントラブルでリタイヤしたよ。調子良く走れていたから最後まで走り切りたかったけど、大事を取ってピットに戻る決断をした。ヒート2はスタートが決まって、ジェイ・ウィルソンともトップ争いをすることができて楽しかった。抜かされた後も離されず、もう一度抜きかえそうと仕掛けたりしたけど、ジェイも速くて届かなかった。コンディションは悪かったけど、とても楽しくて良いレースだったと思う」
大塚豪太 コメント
「ヒート1 は自分の得意な30分のレースでした。6位入賞はできましたが、1人1人パスするのに時間をかけ過ぎてしまったのでもっとスムーズにパスできていたらもっと上の順位でゴールできたかなと思います。ヒート2 ではオープニングラップのこなしが悪く、そこからも良いラインがなかなか見つからず追い上げるのに時間がかかり過ぎてしまいました。思うように追い上げられず悔しいですが、次戦はより上を目指して頑張ります」
安原志 コメント
「天候が不安定でヒート1は曇りで30分のレース、ヒート2は雨で15分のレースとなりました。ヒート1は全体的に路面コンディションが良かったですけど、ヒート2は部分的にウェット路面となり、グリップの良いところが入り混じったコースコンディションとなったのでライン選択が難しく、慎重にかつスピードを落とずセクションをクリアできるように走行しました。
ヒート1に関しては今年初の30分のレースで、スタートは遅れたものの安定したペースで6番手まで追い上げましたが、ライン選択が悪く、さらに一部のジャンプセクションでスピードを乗せきれず、競り負けてしまいました。ヒート2ではヒート1の反省点を踏まえてレースしたのでライディング自体は悪くなく、ミスも少なく安定したペースで追い上げていきましたが、ウェット路面でスタート直後の混戦で大きなミスしたことにより順位を落としたことが、15分の短いレースで致命傷となり順位を上げることができませんでした。
全体としては、開幕戦と比べてマシンセットもかなり詰められたのでライディングに集中してレースできてよかったです。第3戦が翌日だったことと、日曜日の天気予報が雨で路面が荒れることも想定していたので、ライディングのミスが出ないようにライン取りを考えて日曜日のレースに臨むことにしました」
IA2クラス
滑りやすい路面に苦戦。悔しさ滲む結果に
IA2クラスでは小笠原がタイムアタック予選を8位で通過。調子の良さが感じられる中ヒート1を迎えた。序盤で8番手に立つも、後方から追い上げてきたライダーを抑えきれず11番手でレースが進行。30分+1周という長い時間の中、小笠原はペースを大きく落とすことなく走りきり、結果は11位となった。続くヒート2は15分+1周で競われた。小笠原は序盤で11番手につけるが、混戦の中19番手にポジションダウン。その後も追い上げきれずそのままの順位でチェッカーを受けた。
小笠原大貴 コメント
「九州大会は事前練習無しで挑んだこともあり、タイムを上げるのに苦戦しました。それでもヒート1は30分タイムを落とさないよう走りきることができました。ヒート2では雨が降り、タイヤのセッティングが合わず、かなり順位を落としてしまいました。次戦はしっかりポイントを取れるようにしていきます」
次戦は4月21日(日)熊本県にあるHSR九州にて開催。雨予報が出ており、コンディションはさらに過酷なものとなるだろう。マディコンディションで実力を発揮することができるか。彼らの活躍に注目が集まる。