KUSHITANIは2023年よりオフロードウエアを展開し、今季はD.I.D 全日本モトクロス選手権2024シリーズに参戦する5人のライダーをサポートする。4月21日(日)に行われた第3戦は大雨の中のマディレースとなり、各ライダーが実力を発揮した。
4月21日(日)にD.I.D全日本モトクロス選手権2024シリーズ第3戦が開催された。会場は熊本県にあるHSR九州だ。大会前日に降った雨の影響により、当日はマディコンディション。さらに午後には大雨が降り始め、過酷なマディレースとなった。
KUSHITANIは2024シーズンより、IA1クラスに参戦する#33ビクトル・アロンソ、#6⼤塚豪太、#8安原志、IA2クラスに参戦する#20⼩笠原⼤貴と#16ブライアン・シューという5人のライダーをサポートしている。第3戦で彼らがどんな活躍を見せたのか、レポートしていく。なお、第2戦より参戦予定だったドイツ出身の#16ブライアン・シューは、怪我のため第2/3戦を欠場。第4戦からの参戦を目標にしている。
IA1クラス
安原が表彰台を獲得、マディコンディションでの強さを発揮
当日は午前中からマディコンディション。路面はレースを重ねるごとに深い轍ができたりと、雨により路面状況が変化し続けることとなった。
ヒート1は30分+1周で行われた。ビクトル・アロンソは序盤で5番手につけるも、転倒し10番手にまで順位を落としてしまう。その後も追い上げを続け8番手にまでポジションを上げるが、マシントラブルによりリタイヤし、DNFとなった。
一方、マディコンディションの中、大塚が安定して序盤から5番手を走行。安原も8番手から徐々に順位を上げて一時6番手に立つと、5番手を走る大塚を狙っていく。しかしレース後半でタイムロスをして7番手に順位を落としフィニッシュ。大塚が5位、安原は6位でレースを終えた。
雨足がかなり強くなる中で迎えたヒート2は、15分+1周で行われた。さらに過酷なマディコンディションになり、レースはスタートから混戦となる。そんな中、ビクトルは1周目で2番手に立ち、トップを走る横⼭遥希を追いかけていく。レース中盤には横山のミスによりトップに浮上。しかしその後、4コーナーでスタックしてしまいトップ争いから離脱してしまう。その後も追い上げることはできず10番手でレースを終える。
一方、安原は序盤で6番手につけると、そこから順位を上げていく。順位が大きく動いたレース中盤、安原は4番手を走っていた安原が一気に2番手に浮上。荒れた路面状況にトップ集団が次々とスタックする中、スムーズな走りで最後まで2番手を走り切りフィニッシュ。IA1クラスで自身2度目の表彰台を獲得し、マディコンディションでの強さを示した。
また、大塚は序盤で12番手と後方から追い上げる展開。上位集団の転倒やスタックにより順位が激しく入れ替わる大波乱のレースが展開されるが、大塚は落ち着いた走りで着実に順位を上げていき6番手でゴールを果たした。
ビクトル・アロンソ コメント
「第3戦はポジティブな面もあればネガティブな面も見えたレースだった。今大会のようなコンディションは正直好きじゃないけど、これもモトクロス。満足いく結果で終わることはできなかったけど、まだ多くのレースが残っているし、ポイントは取り戻せるから、次のラウンドに向けて練習を重ねていくよ。次戦の目標はもちろん優勝。多くのことを学んでさらに成長していきたいと思う」
大塚豪太 コメント
「雨でマディコンディションになりましたが、前日の反省点を上手く整理して臨めたと思います。ヒート1 はスタートが決まり、その後も淡々とミスなく走り切ることができ、今季ベストリザルトの5位を獲得することができました。ヒート2 は、スタートは悪くなかったのですが1周目にスタックし序盤は18番手くらいからの追い上げでした。とにかく一つでも順位を上げるしかないと思いましたが、冷静にしっかり自分の走りに集中できていて6番まで追い上げることができてよかったです。今回は確実に開幕戦よりも一歩前進できていたと思います。次のSUGOも同じように、走りもリザルトもステップアップさせて、表彰台を狙います」
安原志 コメント
「ヒート1は泥が重くなるようなマディだったので車両に周回を重ねるごとにマシンに泥が付きコントロールするのが難しかったです。私自身マディ路面は得意な方なのでレース序盤から順位を上げていきましたが、10分経過した辺りから急激なマシンのパワーダウンを感じて、ペースダウンして走行することにしました。ヒート2は1コーナーで他車とのクラッシュに巻き込まれて後方からのレースとなりましたが、マディレースを走行する上で見えないラインを定める勘とあらかじめスタックするポイントを想定していたので、スタックの心配はしていませんでした。1周目を周回した時点で滑るポイントなどを把握できたので冷静に走行を重ねられました。ある程度追い上げて単独走行となり、自分の順位が分からなくなってしまったので転倒リスクを冒さずにレースを終えました。表彰台に登れて、自分はやっぱマディが得意な方なんだと思いました。過去でヤマハファクトリーだった時に3位表彰台があったので、そのリザルトをプライベーターで更新できたことが嬉しいです。
ベストリザルトが2位になったので、次は1位を獲りたいです。ただ、晴れのコンディションではまだ3位以内は入ったことがないので、まずは晴れでも表彰台獲得を目指します。どのような路面でも今回のような成績を安定して出せるように頑張ります」
IA2クラス
小笠原が4位獲得、混戦のマディで大健闘
IA2クラスもヒート1は30分+1周、ヒート2は15分+1周の2ヒート制で行われた。ヒート1、小笠原は序盤で24番手から追い上げる展開となる。レース前半は路面に苦戦するが、後半にかけて18番手までポジションを上げていく。しかしレース終盤にタイムロスし20番手でチェッカー。悔しさを滲ませる結果となった。
続くヒート2、大会最後のレースということで路面状況はかなり荒れていて、ライダーにはスピードよりもベストラインを見つけて転倒せずに走り切る一瞬の判断力とマディを乗りこなすテクニックが求められた。小笠原は序盤で10番手につけると、落ち着いた走りで順位を上げていく。レース後半には4番手にまで浮上し、そのままフィニッシュを果たした。表彰台には届かなかったものの、小笠原にとって自身最高順位を更新した。
小笠原大貴 コメント
「前日からの雨の影響でかなりタフなレースになりました。ヒート1調子は良かったもののハンドルが曲がってしまったりして、上手く走ることができませんでした。ヒート2はスタートで出遅れ、ゴーグルも1周目から外してしまいました。目があまり開けれない状況の中で転ばないよう、淡々と走っていました。ゴール時には自分が何位か分かりませんでしたが、4位でしたね。次戦は晴れでも表彰台に上がるようにしていきます」
次戦は6月1日(土)〜6月2日(日)、宮城県にあるスポーツランドSUGOにて開催される。1ヶ月ほどのインターバルがあるということで、ライダーたちは次戦までにさらに調子を上げてくるだろう。次も彼らの活躍に期待したい。