KUSHITANIは2023年よりオフロードウエアを展開し、今季はD.I.D 全日本モトクロス選手権2024シリーズに参戦する5人のライダーをサポートする。6月22日(土)〜23日(日)に行われた第5戦では、ビクトル・アロンソがIA1クラスで自身初優勝を飾り、その実力を示した
6月22日(土)〜23日(日)にD.I.D全日本モトクロス選手権2024シリーズ第5戦が開催された。会場は北海道にある新千歳モーターランド。今季は決勝日に雨が降ることが多いが、今回は曇りでコースはドライコンディション。砂埃が立たないように散水を挟みながらレースが進行していった。また、スケジュールとしては土曜日にスポーツ走行、日曜日にタイムアタック予選と決勝レースが行われた。
なお、KUSHITANIは2024シーズンより、IA1クラスに参戦する#33ビクトル・アロンソ、#6⼤塚豪太、#8安原志、IA2クラスに参戦する#20⼩笠原⼤貴と#16ブライアン・シューら5人のライダーをサポートしている。なお、ドイツ出身の#16ブライアン・シューは、怪我のため今回も欠場している。
IA1クラス ビクトルが序盤からリードを広げて優勝を獲得
ヒート1は30分+1周で行われた。ビクトル・アロンソは好スタートを決めるも、第2コーナーでクラッシュ。最後尾から追い上げる展開となった。ビクトルは27番手につけると、22位、18位、15位と周回を重ねるごとに順位を上げていき、レース中盤には8番手にまで浮上。さらに勢いを上げると、5番手でフィニッシュを果たし、厳しいレース展開の中でも追い上げて上位に食い込む強さを見せた。
一方、大塚は序盤で5番手につけると、安定感のある走りでレースを進めていく。さらにレース中盤には4番手、レース終盤に3番手に順位を上げると、大塚の強みである後半での持久力を発揮。最後まで安定した走りで見事3位を獲得した。
安原はスタートで出遅れ序盤で17番手につける。その後も順位を上げていきレース中盤には9番手に浮上。その後もペースを上げて一時8番手となるが、最後は後退し9位でゴールを果たした。
ヒート2ではスタート後に赤旗が振られ再スタートとなった。気を取り直して2度目のスタートではビクトルが良い反応でスタートを飛び出し、1周目にトップに浮上する。そのまま勢いを落とすことなく後方との差をさらに広げていき、ミスなくトップでゴール。IA1クラスで初優勝を獲得した。
一方、大塚は序盤で5番手につけるが、ミスにより18番手に後退してしまう。レースを重ねるごとに路面が荒れていきライダーたちを苦戦させる中、大塚は着実に追い上げを続けていく。レース終盤には8番手に上がり、そのままの順位でフィニッシュとなった。
安原は9番手から追い上げる展開となり、レース前半で6番手にまでポジションを上げていく。抜きつ抜かれつのレースで順位が変動する中、レース終盤に他ライダーと接触し転倒。悔しくも9番手でのゴールとなった。
ビクトル・アロンソ コメント
「ヒート1はスタートはよかったけど直後のコーナーで前のライダーが転倒して、そこに絡んでしまったことで復帰に時間がかかってしまった。追い上げる時もペースを掴むのが大変だった。あと2周あればもっと前に行けたと思うと悔しいよ。ヒート2に向けて気持ちを切り替えることはできなかったけど、自分のベストを尽くして走った。スタート直後に転倒してしまって最悪な気分だったけど、赤旗が振られて仕切り直しになって、ラッキーだった。赤旗の後は、序盤からトップに立って、自分の好きなラインを選ぶことができたからヒート1よりもストレスなく走ることができた。後半は疲れが出てしまって、実力不足も感じたけど、優勝することができて嬉しい」
大塚豪太 コメント
「新千歳モーターランドは海外のような大きくて荒れやすいサンドコースで、さらに今回は30分+1周のレースということで、僕の得意分野ではありました。マディで表彰台に上がった前大会に続き、ドライコンディションでもしっかり表彰台に立てたのは大きな自信になりました。レースに向けては、前の週に練習に行き、マシンのセッティングもしっかりそこで合わせる事が出来ていたので気持ち的な余裕もありましたね。自分の課題を克服するためにやってきてるトレーニングがようやく目に見える形になってきてるかと思います。リザルトにも繋がってきていて自分のモチベーションも更に上がってトレーニングに打ち込めているのも良かったです。今大会を終えて、約2ヶ月のインターバルに入ります。課題の克服を突き詰める事もそうですが、自分の長所もさらに極める練習をしていきます。次戦も表彰台を目指すことはもちろんですが、トップ争いに加わる走りができるように準備していきます」
安原志 コメント
「非常にタフなレースとなりました。今年は昨年と違い、両ヒートとも30分+1周のレースとなり、体力的な消耗が激しいレースとなりました。マシンの調整に非常に苦労し、決勝ヒート1はスタート直後に出遅れて後方からの追い上げ、ヒート2も追い上げで、終盤で接触転倒した際のマシントラブルで順位を落としました。コースを走ったのは昨年の全日本モトクロス以来となり、土曜日の練習走行から決勝に向けて調整に非常に苦労しました。万全な状態で臨めなかったですが、30分+1周のレースの組み立てやコースの走り方は良い面もあったので比較的攻めることができました。今回のレースで見えた課題とシーズンオフから取り組んでいる課題をクリアできるように名阪スポーツランドで練習とトレーニングを積み重ねて改善していきます。次戦はホームコースなので万全の状態でレースに臨みます。次戦の目標は両ヒートとも表彰台獲得。30分+1周でタフなレースが予想されますが、最後まで集中して練習の成果を100%出し切ります」
IA2クラス 実力を発揮しきれず、悔しさを滲ませるレースに
IA1クラスと同じく、IA2クラスも30分+1周で行われた。ヒート1、小笠原は序盤で13番手につけたものの、レース中盤で29番手に後退し、追い上げを強いられる展開となる。レース終盤にかけて順位を上げていくも、26番手でフィニッシュを果たした。
続くヒート2では17番手から追い上げていく。着実に前のライダーをかわしていき、レース中盤には14番手に浮上した小笠原だったが、その後21番手にまでポジションを落としてしまう。しかしその後も追い上げを続け、20番手にポジションを上げてゴール。小笠原は「乗り込み不足で全くバイクに乗れなかった」と悔しさを滲ませた。
小笠原大貴 コメント
「北海道大会を振り返ると、かなりタフなレースになりました。北海道大会に向けて乗り込みは不足していて、それでもできることはやろうとトレーニング等を行って挑みました。事前練習に行くことができず、練習できたのは土曜日だけでしたが、セッティングも出せず苦しい展開となりました。全くバイクに乗れなかったために、乗り慣れてない感がレースに出てしまいましたね。次戦までのインターバル期間では、前半はあまり乗り込めないのですが、後半はアメリカにトレーニングをしに行きます。また、今回の反省を生かして、後半戦は仕事とトレーニングのバランスを取りつつ、レースに集中できる環境を作っていきます。次戦は一昨年から調子を上げるきっかけとなったコースなので、アメリカのサンドコースで乗り込み、トップ10に入って確実にポイントを獲得すること、表彰台に登ることを目指します」
次戦は9月14日(土)〜9月15日(日)、奈良県にある名阪スポーツランドにて開催される。約2ヶ月ほどのインターバルが開き、各ライダー成長を遂げて挑むラウンドとなるだろう。次戦はどんな活躍を見せてくれるのか、彼らの走りに期待したい。