ビクトルがIA1デビュー戦で表彰台を獲得!【D.I.D全日本モトクロス選手権2024開幕戦 腕時計のベルモンドカップ】

KUSHITANIは2023年よりオフロードウエアを展開し、今季はD.I.D 全日本モトクロス選手権2024シリーズに参戦する5人のライダーをサポートする。3月30日(土)〜31日(日)に行われた開幕戦ではそれぞれのライダーがどんな走りを見せたのだろうか。

3月30日(土)〜31日(日)、D.I.D全日本モトクロス選手権2024シリーズが開幕した。会場は埼玉県にあるオフロードヴィレッジ。大会前日に降った雨の影響により、土曜日はマディコンディション。決勝日の日曜日はドライコンディションに回復したが、乾ききらなかった路面には深い轍ができ、荒れた路面にライダーたちは苦戦を強いられた。

KUSHITANIは2024シーズンより、IA1クラスに参戦する#33ビクトル・アロンソ、#6⼤塚豪太、#8安原志、IA2クラスに参戦する#20⼩笠原⼤貴と#16ブライアン・スーという5人のライダーをサポートしている。この記事では、シーズンオフに練習を重ねてきた彼らが開幕戦でどんな走りを見せたのかをレポートしていく。

IA1クラス

ビクトルが2ヒート連続表彰台を獲得
荒れた路面がライダーたちを翻弄する

KUSHITANIのサポートライダーであるビクトル・アロンソは2023年にIA2クラスでチャンピオンを獲得。今季から450ccマシンに乗り換えてIA1クラスに参戦し、シリーズチャンピオンを目指している。一方、⼤塚豪太は昨年のシリーズランキング6位のライダー。昨年の最高順位は4位で、安定感のある走りとレース後半も垂れない体力が強みである。また、安原志はIA1歴7年目のライダー。安定してトップ10以内に入る実力を持ち、2023年の最高順位は5位、年間ランキングは8位を獲得した。最高峰クラスで彼らがどんな活躍を見せるのか、期待が高まった。

今回、公認クラスとなるIA1・IA2・レディース・IB OPENクラスは日曜日のみの1day開催で行われた。決勝は15分+1周の3ヒート制で、スタートが表彰台獲得への鍵となった。ヒート1、IA1クラスデビュー戦となったビクトルは序盤で7番手につけ追い上げていく。路面が荒れて走行ラインが絞られる中、ビクトルはクラストップタイムを叩き出すほどの勢いで走行し、終盤には4番手にまでポジションアップ。惜しくも表彰台には届かなかったものの、1ヒート目からその存在感を示した。

大塚はスタートで出遅れ13番手からのスタートとなった。しかし、そこから着実に追い上げていき、レース後半には10番手に浮上しゴール。後半での追い上げが光るレースとなった。一方、安原は序盤に15番手につけると、そこから追い上げ12番手に浮上する。しかし終盤でタイムロスし13番手でフィニッシュ。路面に苦戦を強いられる展開となった。

続くヒート2、ビクトルは序盤から4番手につけると、2番手を走る能塚智寛の転倒によりレース中盤で3番手へ。一時2番手に上がったものの、ミスにより3番手でゴール。IA1クラスで初の表彰台を獲得した。

一方、大塚は好スタートを決め序盤で6番手につける。レース中盤には一時8番手にポジションを落とす場面もあったが、最後まで諦めず7番手に順位を上げてゴール。粘り強い走りを見せた。また、安原は11番手から追い上げていく展開。ヒート1の反省を生かしてマシンをセッティングし直し、ヒート1よりも好調な走りを見せる。結果は10位でフィニッシュ。

ヒート3では、ビクトルが好スタートを決め序盤から3番手を走行。しかし、ミスにより5番手に順位を落としてしまう。前を走る能塚と⼤倉由揮と3番手争いを繰り広げる中、レース終盤で3番手にポジションアップ。見事2ヒート連続表彰台を獲得した。

大塚は序盤から7番手につけると6番手とは4秒ほど差が開いた状態で追い上げを図る。しかし、なかなか前を走るライダーとの差を詰めることができず、結果は7位フィニッシュ。一方、安原も好スタートを決め序盤から8番手につけるが、レース後半に10番手まで後退。前のライダーとは僅差であったものの、抜かすことはできず10番手でチェッカーを受けた。

ビクトル・アロンソ コメント

「450ccに乗り換えてのデビュー戦ということで少し緊張しましたが、とても良い初レースになったと思います。ヒート2での転倒とヒート3でのコースアウトにより、順位を落としてしまったことは残念ですが、自分にとって良い学びとなりました。今回の反省を生かして、ここからさらに成長していきます。次戦の会場となるHSR九州はコース幅が広く、ハイスピードコースのため難しさもありますが、すごく好きなコースなので楽しみです。次戦でも掲げる目標は同じで、最大限のパフォーマンスを発揮し、多くのことを学びたいと思っています」

大塚豪太 コメント

「思うようなリザルトが残せない開幕戦となりました。しかし、シーズンオフに取り組んできた事は間違っていないと思うので、それをレースで上手く発揮できればリザルトにも繋がっていくと思っています。次戦の目標は、まずは表彰台に上がることですね。去年まで熊本に住んでいて、HSR九州は乗り込んでいたコースですし、30分の長いレースも得意なので楽しみです」

安原志 コメント

「全体的に上手くいかなかった開幕戦でした。シーズンオフで2023年に出た課題を潰すために準備してきていて、事前テストでも調子は良かったのですが、レース本番は路面がかなり荒れていて、その路面に対してライディングもマシンセッティングも合わせきれませんでした。特にヒート1は噛み合わず、攻めきれませんでしたね。その反省を生かしてヒート2からできる限りセッティングを合わせて、改善はできたと思います。ヒート3はレース展開としても最後まで攻め切れたので良かったです。成績自体は悪かったのですが、試行錯誤しながらも改善できたので、次戦に向けても前向きに終われたと思います。次戦に向けて、開幕戦で感じたネガティブな部分を潰せてきていますし、個人的にハイスピードなコースが好きなので、次戦のHSR九州は楽しみです。自分はこれまで表彰台に1回しか登ったことがないので、表彰台を目指して頑張ります」

IA2クラス

総合16位。次戦に向けて見えた課題

IA2クラスも決勝は15分+1周の3ヒート制で行われた。今季からサポートライダーとなった小笠原大貴は宮城県出身の22歳。現在は埼玉県を拠点としており、開幕戦は小笠原にとってホームコースでの大会となった。2023年は怪我により欠場したラウンドもあり、シリーズランキングを20位で終えている。今季はどこまで飛躍するのか注目が集まった。

レース当日、小笠原はタイムアタック予選を10位で通過。予選について小笠原は「ペースを上げきれなかった」と話し、決勝レースでの挽回に期待がかかった。しかし、ヒート1はマシントラブルによりDNF。続くヒート2では序盤で11番手につけるも、転倒し19番手にポジションダウン。その後も追い上げきれず20番手でフィニッシュを果たした。ヒート3ではスタート後から12番手につけるとレース中盤で自身のベストラップタイムを記録しながら10番手まで追い上げていく。しかし、その後ペースダウンし14番手でチェッカー。全体を通して悔しさを滲ませるレースとなったが、「新たな目標がしっかり立てられたレースになった」と冷静かつ前向きに受け止めている様子。次戦での活躍に期待したい。

小笠原大貴 コメント

「地元大会ということで毎週コースで練習をしてきたのですが、当日は変に緊張してしまい、公式練習からペースを上げられず苦戦しました。そのため、タイムも悪くレース展開が上手くいきませんでしたし、他者との接触転倒やマシントラブルが起きてしまいました。ただ、次戦に向けて未熟な部分や、新たな目標がしっかり立てられたレースになったと思っています。暑さの厳しい開幕戦でしたが、クシタニのウエアは軽くてメッシュ素材になっているため、ライディング中も快適でした。デザインにこだわっているため他メーカーにも負けないウエアになっていると思いますし、何よりクシタニスタッフが一丸となってサポートしてくれるので、安心してレースに挑めています。次戦の九州大会は遠方のため事前練習に行けていないのですが、全ヒートでしっかりポイントを取ることを優先していきたいです。もちろん、表彰台も狙っていきますし、目立つ走りができればと思っていますが、焦らず目標を達成したいと思います」

次戦は熊本県にあるHSR九州にて開催。4月20日(土)に第2戦、4月21日(日)に第3戦と、2日連続で大会が行われる。ライダーにとってはかなりタフなスケジュールであるが、そんな中で彼らがどんな活躍を見せてくれるのかに期待したい。

なお、第2戦よりドイツ出身のブライアン・スーがKUSHITANIのウエアを着用しIA2クラスに参戦する。昨年はD.I.D全日本モトクロス選手権2023シリーズ第8戦にスポット参戦し総合優勝を獲得。今季はフル参戦をするということで、第2戦からの走りを楽しみにしていたい。

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