クシタニ×アルパインスターズ 日伊の老舗が強力にコラボ by RIDERS CLUB

アルパインスターズの「スーパーテックR」といえば、最高峰のモトGPからイベントレースまで、世界中のライダーが支持し、最大級のシェアを誇るレーシングブーツ。そんなハイエンドモデルに、日本のクシタニが独自に開発したレーシングスーツ専用皮革〝プロトコアレザー〞を採用した最強のコラボレーションモデルが登場した。

 

クシタニもアルパインスターズも、レーシングギアやバイクウェアを作る、いわばライバルメーカーだが、それだけに互いの製品や技術をリスペクトする。そして一昨年、欧州のモーターショー視察に出向いたクシタニのスタッフとアルパインスターズの担当者が「互いの技術で何か作れないか?」と意気投合したのがコラボレーションのきっかけだった。

そこでクシタニが提案したのが、独自に開発したレーシングスーツ専用皮革の「プロトコアレザー」。天然皮革の強度としなやかさを追求し、さらに水や汗を含みにくい撥水機能(低吸水性)を持たせ、重さやベタつき、縮みを防ぐ。まさにクシタニの根幹ともいえる素材だ。

とはいえアルパインスターズの素材も一流。スーパーテックRのアッパー部の主要素材であるマイクロファイバー合成皮革の強度や柔軟性に自信もある。そこで、クシタニが試供として送ったプロトコアレザーを、同社のラボで徹底的にテストし、その上で採用を決定したという。

じつはクシタニも、従来からレーシングブーツをラインナップしているが(GPWブーツ)、こちらは硬質な樹脂プロテクターを用いない、動きやすさを重視したモデル。そこで、超高速な選手権レースにも対応するハードブーツを用意したい考えもあった。またクシタニ独自の色味とすることで、自社のレーシングスーツと、カラーのマッチングが高まるメリットもあるという。

アルパインスターズとしては、アジアエリアで人気の高まるレースに対応し、クシタニの販路でシェアを拡大したいビジネス構想があった。

そして何より、レースの現場で使用するライダーたちの想い。とくにモト2やモト3、そこに繋がるアジア選手権などは、ベストラップのわずか1秒の中で十数人もがひしめく激戦区。そこで順位を上げるには、しなやかなブーツで1/100秒でも操作時間を短縮することも重要。そんな要求に応え、選択されるのが、このブーツなのだ。

生産においてはクシタニがプロトコアレザー(指定された1.2㎜と1.0㎜厚。ちなみにレーシングスーツは1.6㎜厚を使用)をアルパインスターズに送り、同社の工場で裁断や加工、組み立てを行う。完成したブーツは日本に送られ、クシタニが全品を検品した後に全国のプロショップで販売。トゥスライダーなど消耗品もクシタニが用意し、ソールの張り替えや転倒などによる破損も、可能な限りクシタニがリペアを行う(皮革以外の樹脂パーツも在庫)ので、アフターケアも万全だ。

2019年からクシタニのサポートライダーが国内外のレースでテストし、今季はMoto2、Moto3でも使用される。世界のライダーが認める最強のプロテクションと抜群の運動性を体感できるこのレーシングブーツを、貴方のライディングギアに加えてはいかがだろう。

特設ページ:https://www.kushitani.co.jp/supertechr/

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