7月11日~12日の2日間、長野県・大滝村にある“ONTAKE EXPLORER PARK”で、クシタニ主催のキャンプイベント“EXPLORER CAMP MEETING 2026”が開催された。
今回は、今年5月に普通自動二輪を取得したばかりの私、 自動車ライター・瀬イオナ(ハヤセイオナ)が、体を張ってレポートしよう。ちなみに現在乗っているバイクはカワサキ・W250で、当然 オフロードの経験はない。はたして初心者でも楽しめるのだろうか。
このイベントは、1947年創業の老舗ライディングギアメーカー“クシタニ”が毎年開催しており、今回で6回目。現在のイベント名となってからは4回目を迎える。キャンプとオフロード走行、交流を一度に楽しめるイベントとして定着しており、今年も全国から30名を超えるライダーが集まっていた。
1日目のハイライトはBBQ & 焚き火を囲む夜の時間
初日は受付とライダーズミーティングの後、夕方まで思い思いにオフロード走行を楽しむスケジュール。走り終えた参加者の多くは、施設に隣接する“三笠の湯”で汗を流してから、夜のバーベキュー会場へ向かった。
夕食は、おやま食堂が用意する地元・長野県産の食材を中心としたバーベキュー。 自然に囲まれた広場で、バイク談義をしながら焼く肉や野菜のおいしさは格別だった。夏野菜カレーも大人気で、参加者がおかわりに並ぶ姿も見られた。
さらに編集部が用意した“闇汁”企画も開催。自由に具材を入れていくスタイルだったが、参加者がみなさん真面目だったこともあり、完成したのは闇汁とは思えないほどおいしい豚汁のようなスペシャル鍋。会場は終始和やかな雰囲気に包まれていた。
夜には花野さんによるライブステージが開催される。出身地の静岡にまつわる楽曲やキャンプの夜にぴったりな楽曲が披露され、焚き火を囲みながら耳を傾ける贅沢な時間となった。
続いて行なわれた星空ツアーでは、星のソムリエ(星空案内人)の資格を持つ難波祐香さんが夜空を案内。七夕が近かったことから七夕の星座の話や、宮沢賢治『銀河鉄道の夜』の朗読も行なわれた。残念ながら薄い雲が広がり満天の星空とはなら なかったが、雲の隙間から現れる星を一つひとつ紹介しながら進むガイドに、参加者は静かに聞き入っていた。
2日目は早起きをして日の出ツーリング
2日目は早朝3時45分に集合し、三笠山山頂へ移動。期待していた日の出は厚い雲にさえぎられ雲海もほぼ出なかったものの(前日は右写真のような雲海が出ていた…)、2,240mから見渡す山々の景色は圧巻だった。
夜明けとともに少しずつ動き始める街並みを眺めていると、時間がゆっくり流れているような感覚になる。朝は冷え込んだため、体を動かしながら参加者同士で談笑する姿も印象的だった。
その後は、ヤマハ発動機が考案した“Revストレッチ”を実施。肩や腰、腕、脚など、ライダーが疲れやすい部位を重点的にほぐすプログラムで、もともとはヤマハ発動機の社員向けに開発された体操だという。実際に体を動かしてみると、肩まわりや背中が自然と軽くなり、体が目覚めていく感覚があった。これから長距離を走って帰るライダーにとっても、ぴったりの準備運動だ。 朝食も、おやま食堂のお弁当が用意され、朝から胃袋が満たされる。
バイクビギナー、EXPLORER DIRT SCHOOL参加でオフロードを初走行!
その後、私はイベントの1コンテンツとして用意されている“EXPLORER DIRT SCHOOL”という、ゼロから教えてくれるレッスンを受講した。普段はオンロード、いわゆる一般道でしか乗ったことがなく、オフロードバイクもダート走行も人生初だったので、クセも知識もない私にはうってつけ。講師を務めるのはIAワタライこと渡會修也選手。今回はヤマハ・TT-R125LWEをレンタルし、半日のレッスンに参加してみた。
まずは広場で基本姿勢から学ぶ。オフロードでは車体の中央に座り、腕立て伏せをするような姿勢でハンドルを支えること、ニーグリップを意識すること、足はいつでも踏ん張れる位置へ置くことなど、一つひとつ理由を交えながら丁寧に教えてくれる。
ブーツは足首が動きにくいため、シフトアップは腰から体全体をひねるように操作することや、リヤブレーキを主体に使い、フロントブレーキは補助程度に使うことなど、オンロードとは異なる操作も新鮮だった。旋回ではリーンアウト姿勢を基本とし、曲がる側の足を前へ出すフォームも練習。頭では理解できても、実際にやってみるとなかなか思うようにはいかない。また、1速と2速の差が大きく、シフトチェンジにも最初は戸惑ったが、少しずつ車体の動きに慣れていった。
広場で基礎を身につけた後は、いよいよ実際のオフロードコースへ!
ほぼ2速で走りながら林道のようなコースを進み、慣れてきたころにはBASE AREA上部まで挑戦することになった。そこには急勾配や深い満、大きな石が待ち構えていた。経験者なら登っていけるレベルでも、初めての私には難易度が一気に上がる。
結果は3回転倒。荒れた路面ではアクセルを一定に開け続けることが重要だと教わっていたものの、目の前の石や溝が気になってしまい、無意識にアクセルを戻してしまう。さらにヒジも下がり、体も起こせなくなってしまうという悪循環に陥っていた。それでも講師は焦らせることなく、「初心者だからこそクセがなく、教えたことを素直に吸収できている」と前向きな言葉をかけてくれたおかげで、BASE AREAの頂上まで走り切ることができた。
「もっと先を見ること」「ヒジを下げないこと」。アドバイスはシンプルだが、その2つを意識するだけで走りが大きく変わることを実感した。とくに、これまで苦手意識のあったカーブは、滑りやすいダートだからこそアクセルやブレーキの使い方を丁寧に考えるようになり、オンロードにも通じる発見が多かった。まだまだ立ち乗りまでは挑戦できなかったが、「次はそこを目標にしよう」と課題も見えた。 転倒してくやしい気持ちもあったが、それ以上に「また走りたい」という気持ちが強く残った。
免許取得から約1ヶ月の私でも疎外感を覚えることは一切なく、困れば誰かが声を掛けてくれる。バイクが好きという共通点だけで自然と会話が始まり、初対面とは思えない距離感ですごせた2日間だった。
“EXPLORER CAMP MEETING”はオフロード走行だけでなく、キャンプや温泉、食事、星空、そして人との交流まで楽しめるのは、超お得だと言っては良いのではないだろうか。私のような初めてだという人にこそ、おすすめしたいイベントだった。