25年ぶりにオフロードプロダクト。その研究&開発のためのオフロードパークを御嶽山に整備

1947年創業から現在にいたるまで、クシタニは『ものと場を作り、体験がもたらす喜びを多くのライダーに届けたい』という信念で邁進してきた。2022年秋の佳き日、その想いがひとつの新しいプロジェクトとしてお披露目されることとなった。そのニュープロジェクトは、クシタニがオフロードプロダクトに再参入し、そのための研究&開発の場として長野県と岐阜県にまたがる御嶽山に「ONTAKE EXPLORER PARK」を開業する(一般向けのオープンは2023年春の予定)ことだ。

25年前までホールショットという名でオフロードウェアを展開

クシタニがオフロード? と思う方もいるかもしれないが、じつは1990年頃までホールショットというブランド名でオフロードウェアを展開していた歴史がある。時代の流れなどもあり、一度はオフロードの世界から離れたわけだが、モーターサイクルの可能性とものづくりへのあくなく探究心からオフロードウェアの復活を模索していた。

 そんななか、2021年の冬に御嶽スキー場のスタッフウェアにクシタニのプロダクトが採用されたことが契機となった。クシタニプロダクトの確かな品質とクオリティがきっかけとなり、オフシーズンのスキー場活用について相談を受けたのだ。

 そこで、雪のない季節にオフロードパークにするアイデアが浮上。着々と整備を進め、2022年はテストコースとしてスタートし、2023年には一般のライダーも楽しめる施設として運用予定だ。

「走る」以上の付加価値を提供するために

ものづくりにおいては素材も技術も進化する一方、単に良いものをつくるだけではお客様に本当に喜んでもらうことには難しい……。今でこそ体験や経験を重視するブランドも増えているが、クシタニはライダーがよりバイクに乗りたくなる仕掛けを創業当時から考えてきた。

当時はショップに喫茶室を併設したり、1989年には那須エクスプローラーサーキット(現:那須モータースポーツランド)を建設。その後、ライダーが集まるイベントとして走行会の運営やコーヒーブレイクミーティングの開催などを積み重ねてきた。

そこにあるのは、「走る」以上の付加価値を提供したいという想い。だからこそ、オフロードプロダクトに再び本腰を入れる運びとなった今回、オフロードコースを所有するというのも自然な流れだったのだ。ONTAKE EXPLORER PARKにはラボも併設しており、プロダクトのテストや実験なども実施。リアルな場からのフィードバックを、迅速によりよいものづくりに活かしていく予定だ。

好奇心は元気か。冒険心は健全か。

「ONTAKE EXPLORER PARK」のコースは初級、中級、上級を設定。小排気量のオフロードバイクやモトクロッサー、エンデュランサーだけでなく、ビッグアドベンチャーも楽しめる。オフロードに興味があるライダーだけでなく、キャンプツーリングの目的地として楽しむのもおすすめだ。 タイヤが土を蹴る感触、ガレ場や坂道でも前進する力強さ、スタンディング走行をしながら木々の間を抜けていく爽快感。こうしたオンロードにはない魅力を体感することで、愛車のへの信頼感も増すというもの。四季や天候によっても大きく変化するオフロードならではの楽しさを、「ONTAKE EXPLORER PARK」で見つけていただければと願う。そして好奇心や冒険心のあるライドに、ぜひクシタニのオフロードプロダクトが寄り添えれば本望だ。
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