ライテクをマナボウ ♯27 先の見えないブラインドカーブ どこから曲がる?|KUSHITANI RIDING METHOD

ワインディングは出口まで見通せるカーブがあまり多くない、というより、ほとんどがブラインドカーブかも……。曲がり始めたら思ったより回り込んでいて焦ったり、意外と緩くて肩透かしを食ったり……。いったいどうやって曲がれば良いんだろう?

カーブの先が見えない不安、どうやって解消する?

日本の峠路=ワインディングは、急峻な山間部を縫うパターンが多いため、カーブの内側は大抵が山肌や擁壁だったりする。これらが視界を遮ってカーブの先を見えなくし、ブラインドカーブとなる。ありていに言えば、ワインディングのほとんどのカーブがブラインドなのである。

小川勤|TSUTOMU OGAWA
小川勤|TSUTOMU OGAWA

バイク専門誌に25年ほど携わり、10年ほど編集長を経験。その間、国内外の様々なバイクに試乗。2022年よりフリーランスのジャーナリストに(身長165cm)。

内側の擁壁や樹木でカーブの先が見えない。どれくらい曲がっているのだろう……

カーブの先が見えなければ曲がり具合だけでなく、路面の荒れや砂利、落ち葉、流水などもわからない。他にも山菜取りに来た人が車を停めていたり歩いているかもしれない。まずは、それ等に気づいた時点で対処できるスピードで走ることが大切だ。

そしてカーブの曲がり具合は、道路上にある様々な標識で「予測」を立てることができる。もちろん予測が外れることもあるので、その場合も対処できるスピードで走るのが、ワインディングを安全に楽しむコツだ。

曲がり具合を予測する材料は?

ワインディングには、先のカーブの注意を促す表示や標識がたくさんある。なかでも黄色の地に黒い矢印の「警戒標識」はけっこう参考になる。じつは警戒標識の矢印の形は、実際のカーブの形状をかなり忠実に描いているからだ。またカーブミラーは対向車の有無を確認するのはもちろんだが、設置される「位置や角度」も意識してみよう。

警戒標識の矢印は実際のカーブの形状を模している。

緩いカーブ ミラーが手前に設置され、鏡面はカーブの奥を向いている
回り込んだカーブ ミラーが奥に設置され、鏡面は手前側に向いている

「そろそろ曲がらないと……」が、難しさを増長!?

警戒標識の表示やカーブミラーを参考にすれば、カーブの曲がり具合をある程度予測することはできる。とはいえ実際にブラインドカーブにさしかかると、先が見えない不安から「そろそろ曲がり始めないと……」と、早めにイン側についてしまいがちだ。

しかしカーブが予測より回り込んでいると、中盤から終盤でアウト側に膨らんでしまう。ここで慌ててバンク角を深めても回転半径はあまり小さくならず、走行ラインを修正するのは難しいので要注意!

早めにイン側につくと後半で膨らむ!

先が見えないと、つい早めにイン側について曲がり始めてしまう(次項の走行ライン図のA)。しかし思った以上にカーブが回り込んでいると、カーブの後半で走行ラインがアウト側に膨らんでしまう(次項の走行ライン図のB)。もし対向車がいたら大変危険だ。

曲がるポイントを探しながら走る

カーブの先が見えないと、曲がり切れない不安からつい早めにイン側について曲がり始めてしまいがち。しかし曲がり始めのポイントが早ければ、コーナリングの後半で走行ラインがアウト側に膨らんでいくタイミングも早くなる。もしカーブがキツく回り込んでいたら曲がり切れないこともある。

そこで先の見えないブラインドカーブは、カーブの出口や曲がり具合を把握できる場所まで「曲がるポイントを探しながら走る」。その間はイン側に付かずに、そしてカーブの出口や曲がり具合を掴めるポイントに来たら、すかさず車体の向きを変えて曲がろう。

もちろんスピードが高いと対処できないので、いつでも自信を持って車体の向きを変えられる速度で走るのがセオリーだ。

出口が見えてから曲がり始めよう!

カーブを真上から見た状態。赤い線は我慢しきれず早めにイン側について曲がり始めた走行ラインで、カーブの後半で膨らんでいる。青い線は、なんとかカーブの出口が見える(曲がり具合が判断できる)ところから曲がり初めた走行ラインで、最後まで安全に曲がり切れている。曲がり始めるポイントは路面に書かれた矢印ひとつ分くらいしか変わらないが、カーブ後半での余裕は大きく異なる。

1 減速を開始

カーブの手前の直線部分でブレーキをかけて減速を開始。カーブの先が見えずどれくらい曲がっているかわからないので、減速しながら車線の中央を走行。

2 曲がり始めるポイント

カーブに進入しても、前項でイン側についてしまった地点(A)では出口が見えないので、まだ曲がり始めない。そしてカーブの頂点付近まで進むと出口の雰囲気が掴めたので、車体の向きを変えて曲がり始める。

3 カーブの出口

立ち上がり開始。曲がり始めるポイントをカーブの奥に取ったので、終盤でも走行ラインが膨らまずに余裕がある。

 

慣れや勢いで曲がるのは絶対にダメ!

ベテランライダーは初めて走るワインディングでも、ブラインドカーブの先がどれくらい曲がっているのか知っているようにスイスイ走っていく。……が、もちろんカーブの曲率は知らないし、慣れや勢いでエイッ!とカーブに突っ込んでいるワケでもない(そんなライダーもいるかもしれないが、絶対にマネしないように!)。

ベテランライダーの多くは、今回解説したように「予測&修正を繰り返しながら、先が見えてから向きを変える」組み立てで走っている。キャリアを重ねてスキルが上がれば予測の精度が高くなるし、もし予測と実際のカーブの曲がり具合に違いがあっても即座に的確に修正できるようになる。

まずは予測が外れても慌てずに曲がれるスピードから、徐々にスキルを高めていこう。そうすればブラインドカーブも過度に不安にならず、楽しく攻略できる。

次回予告 ♯28 下りカーブはなぜ怖い?

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