「ぼく、またクシタニがいい」 ~未来のMotoGPライダー、クシタニを着る~

 

暦の上では2月になって、いよいよモータースポーツの「シーズンオフ」が終わろうとしています。スペイン・ヘレスやポルトガル・ポルティマオではワールドスーパーバイクの、そしてマレーシア・セパンではMotoGPのオフィシャルテストも始まって、いよいよ開幕間近です。
年明け早々のモータースポーツといえば、例年、新年早々に行なわれるアメリカ・スーパークロス。24年は1月6日にキックオフ(=開幕戦)が開催されましたが、実はもっと早くから走り始めているのがポケバイキッズなのです。

関東ポケバイの聖地のひとつ、千葉北ポケバイコースにはシーズンオフなんて言葉はなく、年末は大みそかまで、新年は元日から、つまり1日の休みもなく営業しているコース。24年1月1日にも、いつものように走っているポケバイキッズがたくさんでした。
この時期、ポケバイ界もちょうどシーズンの移り変わりの時期を迎えています。ポケバイとはいま、大きく分けて74daijiroとイーグルという2モデル/カテゴリーがあって、幼稚園や小学校低学年からポケバイを始める→まずは初心者&入門の「チャレンジ」クラス→中級の「ビギナー」クラス→上級の「エキスパート」クラスとステップアップし、さぁ次はミニバイクを経てロードレース――というのがだいたいのステップアップの階段。
現在、日本のロードレースを走っている30歳代くらいまでのライダーは、ほぼこのルートを踏んで、レーシングライダーになったと言っても過言ではないと思います。2024年シーズンは、どれくらいの新顔がチャレンジクラスに現われるでしょうか。

大みそかも元日も休みなく稼働していた千葉北ポケバイコース

さて、そのポケバイキッズたちも、もちろん装具はオトナと一緒。レザースーツ、グローブにフルフェイスヘルメット。近年はコースによって、レザースーツ内に胸パッド(ブレストパッド)着用を義務づけるようになったり、ブーツはライディングブーツというより、足首の動きの自由度が高い、ポケバイ用のブーツを履いているキッズが多いようです。
千葉北と秋ヶ瀬サーキットをメインに、ふたつ上のお姉ちゃん、咲那(さな)ちゃんと走り込んでいる木村隆之介くん、8歳。関東のポケバイコースでは、ちょっと名の売れたきょうだいライダーです。
その隆之介くん、クシタニのレザースーツを着用しています。24年でポケバイデビュー4シーズン目。もちろん、この年末年始も、1日の休みもなく走り込みを続けました。たまっていた冬休みの宿題を片付けるため、登校日の前日、1月8日だけは、ママから「宿題終わるまで外出禁止ッ!」と言い渡されてしまいましたが(笑)。

全日本ロードレース筑波大会で行なわれたポケバイエキシビジョンで

隆之介くんの2着目のレザースーツが、初めてのクシタニ製スーツでした。
「最初は親の希望というか(笑)。クシタニのツナギにキッズ用があるのを知って、自分とこの子どもにクシタニを着せてみたい、って誰でも思うじゃないですか。まだ小学校に上がったばかりで、本人の希望メーカーなんてないから、私の希望で決めました」とは、隆之介くんのパパ、大輔さん。
クシタニのレザースーツのことを知ったきっかけは、さきに現役引退を表明したライダー、高橋裕紀さん。実は、高橋さんのお子さん、慶志郎くんがクシタニのレザースーツを着ていたからでした。
「クシタニのキッズスーツがあるんだ、ってその時に知りましたね。いいなぁ、カッコいいなぁ、って。それでクシタニの江戸川店が自宅から近かったので、注文して買ったんです」(大輔さん)

高橋裕紀さんとお子さんの慶志郎くん お父さんは引退後もクシタニ契約ライダーで、今年はクシタニでライディングスクールイベントの講師を務める予定

 

秋ヶ瀬での一戦では高橋慶志郎くんと1-2フィニッシュを果たした隆之介くん クシタニライダーの1-2です

キッズ用のレーシングスーツは、いわばオトナ用よりも選択が難しいものです。それは、体の成長のスピードがオトナとは比べられないほど早いから。隆之介くんも、少しずつ体が大きくなり、今までのレザースーツが小さくなってきたんだそうです。もちろん、無数の転倒傷もあったけれど、レザースーツの損傷はそれほどひどくありませんでした。

「ポケバイを始めて2年とか3年、まだまだよく転ぶんですけど、クシタニのツナギは丈夫でしたね。以前に着ていたツナギは、革の合わせ面の縫製がほつれたり、転んでよく路面に擦れるお尻や肩のあたりのダメージも大きかった。でもクシタニのツナギは、もちろん擦りキズは多いんですけど、サイズさえ合えばまだまだ着られる感じです」(大輔さん)

ニューモデルは肩回りのプロテクターも新設計 キッズの小さな体にもフィットするつくりです

レザースーツを新調しよう、となった時に「さぁ次はなににしよう」と考えるのも親の楽しみ。あれにしようか、今度はあそこにしようか、と奥様とあちこちのウェブサイトを見ながら考えていると、隆之介くんがひとこと。
「ぼく、またクシタニがいい」
なんでも隆之介くんが言うには、以前に着ていたレザースーツよりもクシタニ製は着心地がやわらかで、小さいサイズのポケバイでのライドアクションに、凄く自由度が高い、とのことだったのです。大輔さんにも異論はなく、新たに購入したレザースーツもクシタニ製。なんどかメンテナンスにお邪魔した江戸川店に、今度は2着目の購入に出向きました。

隆之介くんの使い込んだスーツ(下)とニューアクリートキッズスーツ デザインもつくりも進化したニューモデルです

隆之介くんが2着目を買う前に、クシタニのキッズ用レザースーツ「アクリートキッズスーツ」はモデルチェンジ。新型は、クシタニレザースーツのトップモデルであるパターンのキッズバージョンで、世界グランプリレースMotoGPのMoto2クラスを走る小椋藍選手が以前に着用してたモデルと、ほぼ同じもの。
素材にはクシタニがレザースーツ用に開発した、しなやかでフィット感の高いホルス牛革を使用し、伸縮性が求められる部位にはケブラーニットを使用。小椋藍選手のレザースーツと同じく、小さなサイズのポケバイに乗る時に求められる運動性を高めたモデルなのです。

ニュースーツを身に着けて、ちょっと照れ臭そう 試着だっていうのになかなか脱ごうとしませんでした(笑)

ニューシーズンを迎える前に、新型レザースーツの採寸に江戸川店を訪れた隆之介くん。試着してみると、以前に着ていた130サイズから140サイズにしてみても、やや大きいかな、まだ130でも大丈夫かな、というフィット感でしたが、ニュースーツを目にした隆之介くんはもう止められません(笑)。新たに140サイズのアクリートキッズスーツを購入したのでした。
体に当ててみてニヤニヤ、試着してみてニコニコ。隆之介くんの表情を見ているだけで、こちらも嬉しくなってしまいます。レザースーツを新調する時の嬉しい気持ちって、オトナも子どもも変わりませんよね。

 

撮影にお邪魔したクシタニ江戸川店 → 〒133-0051東京都江戸川区北小岩3-13-10 TEL:03-6458-0762 https://www.edogawa.kushitani.jp

新しいレザースーツを手にした隆之介くん。相変わらず千葉北→秋ヶ瀬と走り込んでいます。
「週に3回くらいは千葉北を走行しているかもしれませんね。何も続かなかったこのコが、ポケバイだけはどんなに暑い真夏でも、どんなに寒い真冬でもイヤだって言わない。いつもは喧嘩してばっかりのお姉ちゃんとも、サーキットでは仲良くやってます。そろそろミニバイクに乗せようかな、とか考え始めたくらいですけど、本人の夢はMotoGPを走るんですって。どこまで行けるか、応援してあげようと思います」とは隆之介くんのママ、久永(ひさえ)さん。

お姉ちゃんの咲那ちゃん(右)と隆之介くん

今日もきっと千葉北や秋ヶ瀬を走っている隆之介くん。けれど、ニュースーツの初使用はまだまだ。
「なんか…もったいない」
隆之介くん、その気持ちもオトナと一緒だよ!

 

クシタニのレザースーツ各種はこちら>>https://www.kushitani.co.jp/products/leathersuits/index.html

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