インストラクター生見友希雄さんに直撃質問!「KUSHITANI RIDING MEETINGってどんな走行会?」/11月5日開催レポート

11月5日、クシタニが開催するサーキット走行会、KUSHITANI RIDING MEETINGが筑波サーキット コース2000で行われました。今回はその当日の様子をレポート。走行会の雰囲気はもちろん、『インストラクターに聞く、サーキット走行会の魅力!』や、クシタニが行うレーシングスーツレンタルのサービスについてなど、内容盛りだくさんでお届けします。筆者も参加者として走行したので、体験を交えてお伝えしてきましょう!

まず最初に……KUSHITANI RIDING MEETINGとは??

クシタニが開催する、サーキット走行会です。2019年は筑波サーキット、岡山国際サーキット、SPA直入で合計7回開催されました。自分のバイクで思い切りサーキット走行を堪能できることはもちろんのこと、各メーカーによるブース出展や試乗会、クシタニのレアなグッズも手に入れられるかも……!? な、じゃんけん大会もあり。楽しく充実した1日をサーキットで過ごせる、イベント走行会になっています。
KUSHITANI RIDING MEETINGについて詳しくはこちらをご覧ください。

インストラクター 生見友希雄さんに聞いてみよう! KUSHITANI RIDING MEETING、そしてサーキット走行会

全日本国際A級ライダーとして活躍し、2003年の鈴鹿8時間耐久ロードレースでは桜井ホンダで優勝を飾った経験を持つ生見さん。KUSHITANI RIDING MEETINGでは約20年もの間、インストラクターを務めています。そんな生見さんに、KUSHITANI RIDING MEETING、そしてサーキット走行会の気になるアレコレをずばり聞きました。

ひとつめの質問……KUSHITANI RIDING MEETINGの魅力はどんなところでしょう?
「まず、クラス分けがたくさんあるところですね。(常時先導走行の)Aクラスから(サーキットを走り慣れたライダーが走る)Fクラスまであります。それぞれ自分のレベルに合ったクラスを選ぶことができるのが、一番の魅力だと思いますよ」

「Aクラスは常時先導走行で、インストラクター一人につき、だいたい5名ずつの参加者を引っ張ってライン取りなどを教えます。それから、(Aクラスでは)同乗講習と言うのがあるんです」

同乗講習というのは、ライダースミーティングの後にAクラスの参加者を対象に行われる講習です。参加者はレッカー車に乗り込んでコースを周り、コース上ではインストラクターのレーシングライダーたちが走ります。間近でプロの走りを見ながら、生見さんの解説を聞くことができるという、とても貴重な体験ができるんです。ちなみに、Aクラス以外の参加者でも最終コーナーからインストラクターの走りを見ることができ、こちらも現場でインストラクターの解説がつきます。

「(同乗講習では)3台くらいのレーシングライダーが、基本的にレコードラインを走り、うち一人はサーキット走行に慣れていない人の走りやすいラインを走ります。ですから『今のがレコードラインですよ』『(慣れていないライダーの例の場合)今のはあんなにアウトまでいっているでしょう』と、見て違いがわかるようになっているんですよ。1コーナーのイン側や1ヘアのイン側などに止まって、僕が解説をします。いろいろなコーナーをゆっくりと、レーシングライダーのライン取りを見ながら、学習できるんです」

筆者も一度、この同乗講習に参加したことがあります。プロのレーシングライダーであるインストラクターがゼブラゾーンすれすれをハイスピードで駆け抜ける様子は、圧巻の一言。そしてまた、「サーキットを走り慣れていない人のライン」も同時に見ることができ、それを解説してもらえるので、走る前にイメージトレーニングができます。もちろん、途中で生見さんに質問も可能。とっても貴重で、糧になる講習です。

ふたつめの質問……サーキットを走ることに、躊躇してしまうライダーもいると思います。遅くても、KUSHITANI RIDING MEETINGに参加できますか?
走りたいけれどまだ遅いから、ほかの参加者の迷惑になるから……そんな理由でサーキット走行会に参加することをためらうライダーもいるのでは。しかし、生見さんはにっこり笑ってこう言います。

「何十年も前の話にはなりますが、僕も『自分がサーキットを走っていいのだろうか』と思っていましたよ。サーキットを走るのはハードルが高いですものね」

「最初から上手い人はいません。サーキット走行はスポーツだと思うんです。だから、スポーツをしに来るイメージを持ってもらえればと思います。それから、クシタニの走行会は、速い人が遅い人をカバーしてくれる走行会なんですよ。例えば、遅い人に速い人が追いつくとしますよね。でも、クシタニの走行会に参加されている方は、そこで一歩引いて、遅い人をサポートする流れになるんです。だから、サーキット走行が初めての方や経験が少ない方でも、すごく走りやすいと思いますよ。KUSHITANI RIDING MEETINGはこうした走行会だからこそ、年々、参加台数が増えているのだと思います。リピーターの方も多いのですが、紳士な参加者が多いと思いますよ。まったく怖がる必要はまったくないので、『スポーツ』を楽しみに来てほしいですね」

みっつめの質問……インストラクターさんに質問がしたい! けれど、何を聞いたらいいのか、いつ質問すればいいのかわかりません。
KUSHITANI RIDING MEETINGでは、インストラクターが先導走行を務めたり、各クラスを担当しています。せっかくの機会ですから、プロのレーシングライダーに質問したいもの。けれど、一体何を、いつ聞けばいいのでしょう……?

「僕たちはもっと参加者と一体になっていきたいんですよ。個別で話すと、話してくれる方もいるので、本当に気兼ねなく話しかけてください」

例えば、個人的に「次の走行で走りを見てアドバイスをしてほしい」というお願いだってOKだそうですよ。今回、筆者は生見さんに、「各コーナーを何速で走っていいのか、いつも悩むんです……」と相談しました。すると、「それなら、次の走行の前に僕があなたのバイクに乗って、どのコーナーを何速で走ればいいのか教えてあげるよ」とありがたいお言葉! こういうお願いだって『アリ』なのかもしれません。

ちなみに筆者、今回の参加では生見さんをはじめ、2014年全日本ロードレース選手権ST600クラスチャンピオンの小林龍太選手にもぐいぐいと(笑)質問をして、アドバイスをもらうことができました。ちょっとでも「これはどうしたらいいのだろう」と思ったら、ぜひインストラクターに質問してみてくださいね。

さらに、サーキット走行の特徴と、一般道での走りにフィードバックできる部分についても生見さんに伺いました。

「サーキットは、特に立ち上がり重視で走るんです。それが最も安全なんですよ。でも、経験が少ない方はどうしても進入速度を上げてしまいがちです。そうなると、転倒のリスクがどんどん増えていくし、ライン取りもできなくなってしまいます。立ち上がり重視で走って、アクセルを開けられるようになったら進入速度をどんどん上げていくのがいいと思いますよ」

「コースに合ったライン取りと立ち上がり重視というのが、サーキットでは一番大事です。そういう走り方ができると、一般道ではブラインドコーナーなどで絶対に無理をしなくなります。そういうことを考えながら走ると、一般道でも安全に走れると思いますね」

そして、「サーキットでは、好きなコーナーをひとつ作るといいんです」と生見さん。サーキットをうまく走るコツについて、こう話します。

「サーキットは1周をリズムで走るので、得意だったり、好きなコーナーがうまく走れると、ほかのコーナーもよくなるんです。例えば、僕は1コーナーが好きだとしましょう。1コーナーがうまくいった。そうすると次のコーナーに行くまでの区間のスピードも上がります。だからといって、すごく手前でブレーキングすることはないんです。ブレーキングポイントはほぼ同じですからね。そうすると1コーナーの次のコーナー、さらにその先のコーナーもスピードも上がります。そうして1周すると、タイムが上がるというわけです」

全体をうまく走れるようになる、と考えると難しい気がします。けれど、一つだけでいい、好きな、得意なコーナーを作る。そう考えると、なんだかできそうな気がしませんか。生見さんのアドバイス、ぜひトライしてみてくださいね!

なお、Aクラスでは1本目、2本目の走行後に講習会が行われます。こちらはAクラスを担当したインストラクターから、参加者の走りを見た上でのアドバイスがもらえる講習会です。ほかのクラスの参加者でも受講できるので、気軽に参加してみてはいかがでしょうか。

最後の質問……走行会を楽しむために大事なことは何でしょう?
「走行会は、ゆっくり走ってもおもしろくないですよね。ただ、自分のレベルを自分で把握して、その中で走るということが大切なんです。『スポーツ』とはいえ、転倒すれば怪我をするリスクはあります。限界というのは少しずつ超えていくものですが、それは自分のコンディションだったり、ブランクなどを考慮しなければいけません。人間って、思う以上に体のバランスやスピード感覚が、思っているのと違うことがあるんです。そういうことをしっかり自分で把握した上で走ることが安全にもなるし、楽しく終わることができる、ということだと思いますよ」

生見さん、どうもありがとうございました!
みなさん、ぜひ生見さんのアドバイスを参考に、サーキット走行をますます楽しんでくださいね。そしてもちろん、これからサーキットデビューをしたいというライダーも、サーキットを走る『スポーツ』を楽しみにKUSHITANI RIDING MEETINGに参加しちゃいましょう!

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