守るためだけではなく、走るために。
レザーは、ライダーの「本気」に応えることにふさわしい素材で、そこには深みと重みがあります。
かつては過酷な環境を生き抜くために存在した皮膚であり、その事実に敬意を払いながら、職人が丁寧に手をかけ革へと昇華させます。化学式では生まれない独特の表情は、一枚ごとに異なり、二つと同じものはありません。
そして、一頭の動物から採れる革には限りがあります。その限られた素材を惜しみなく使う。それがクシタニのレザージャケットです。
ライダーは背中で語る、その憧れをかたちに
この贅沢なものづくりの一面がより感じられるアイテムの一つに、イーエックスモアジャケットがあります。
見ていただきたいのは、このジャケットの背中です。腰回りを除き、背中のパーツは大胆な一枚革。いくつかのパーツを縫い合わせるものとは異なり、一枚革でのデザインをかなえるために使用する革は広く、全体的に状態のよいものでしかつくることができません。
それでも一枚革にこだわる理由を企画担当した20代の職人に聞くと、「ライダーは背中で語るって言うじゃないですか。そんなカッコいいジャケットにしたかったんです」と教えてくれました。
一枚革を採用する理由は、見た目の美しさだけではありません。縫い目がないことで転倒時に裂けるリスクが少なく、継ぎ目のないなめらかな背面は路面との引っかかりを減らすことで、その衝撃を逃がすことができます。
もちろん、複数パーツを縫い合わせるデザインにもフィット感の調整やデザインの自由度などの利点があります。それぞれに異なる企画設計の意図がありますが、クシタニのレザージャケットはどの一着も走るための必然から生まれるのです。
そしてイーエックスモアジャケットには、他にも興味深いディテールがあります。それは、袖部分のピボットスリーブと呼ばれるもの。これは古くは狩猟用のジャケットの袖として生まれたもので、銃を構えたときに腕まわりの動きを邪魔しないようにと開発されたパターンです。
この機能性と運動性を兼ね備えたピボットスリーブは、前傾姿勢でも腕が自然に伸びる設計が特徴です。ハンドルを握るライディングポジションを基点にしているから、腕を前に伸ばしたときの突っ張り感を抑え、長時間走るほどにその違いを体感できます。
一枚革のバックスタイルをかなえるレザージャケット
一枚革のバックスタイルで注目すると、アンフィニッシュドジャケット2やアンフィニッシュドVジャケットもラインナップします。
こちらは着込む程に革の色や変化を楽しめる染料仕上げの革を使ったジャケットです。革そのものが本来もつ表情がよりダイレクトに分かるので、一枚革でその魅力をより体感いただけます。
スタイルだけでなく、こうした機能美あるものづくりを知っていただくと、レザージャケット選びもより奥深いものになるでしょう。
クシタニではご自身のサイズに合ったレザージャケットを作ることができるイージーオーダーまたはフルオーダーのモデルも提案しています。レザージャケットをお探しの際は、ぜひショップにお立ち寄りください。
革をなぜジーンズ調にするのか? ハードな印象を和らげてくれるとはいえ、革をなぜジーンズ調にするのか ……エクスプローラージーンズが生まれた約25年前は、そんな葛藤もあったという。しかし、現会長で[…]
