クシタニのミッドレイヤーを使って電熱いらずの冬を過ごそう

冬場にクシタニの防寒テキスタイルウェアを着るようになってから寒いと感じることが激減しました。

現在販売されている防寒テキスタイルウェアの大半は、保温性の高い中綿入りミッドレイヤーと、防水防風透湿性に優れたアウターのセットになっています。

このミッドレイヤーは中綿の量が多く保温性が素晴らしいので、冬の東京でも中にロンT一枚着れば寒く感じることがないのです。

ただ防寒テキスタイルウェアのアウターに関しては、中綿たっぷりのミッドレイヤーを着用する前提で設計されているので、少々ゆとりがあります。

そのため3シーズンジャケットや革ジャンのミッドレイヤーとして使うと動きにくく感じてしまうこともあります。

そんな時にぜひ使って頂きたいのがクシタニの「防寒ミッドレイヤー」です。

2022年はジャケット、インナーダウン、中綿入りベスト、パーカの4タイプをラインナップしていますが、アウターがパーカタイプだとパーカは使いづらいので他3点を全てご紹介します。

K-2842 ホワイトグースダウンジャケット

  1. カラー:ブラックアウト・ベージュ・ライトグレー
  2. サイズ:M、L、LL、XL
  3. 価格:¥30,800

クシタニ防寒テキスタイルウェア中で最強のアロフトシリーズも中綿入りミッドレイヤーがセットですが、他の製品と違うのはダウンとフェザーを使用しているという事。

他の製品に関しては化繊綿のシンサレートを採用しています。一般的な中綿に比べて保温性が高いシンサレートですが、ダウンと比べてしまうと少々劣ります。

ではこのホワイトグースダウンジャケットはアロフトシリーズのミッドレイヤーと一緒なのかというと違います。

アロフトシリーズのミッドレイヤーの中綿割合はダウンとフェザーの割合が70:30。対してホワイトグースダウンジャケットは90:10となっています。

ダウンとフェザーを比べるとダウンの方が保温性に優れますが、フェザーは張りのある素材なので混ぜることで中綿が潰れにくくなります。

そのため機能性の為にもダウンとフェザーは混ぜて使うのが定石ですが、フェザーの方が安価なため、価格を調整するためにフェザーの割合を増やしている製品もあります。

ホワイトグースダウンに関しては中綿が潰れないようにフェザーの割合を10%混合しつつダウンを90%にすることで保温性を高めています。

またホワイトグースを使っている点も見逃せません。ダウンに使われるのはグース(ガチョウ)とダック(アヒル)です。

グースとダックを比べるとグースの方が大きいため、ひとつひとつの羽毛が大きく暖かい空気を多く蓄えることができます。

価格が30,800円と高額なのは、まさに素材に拘りつくしているから。防寒テキスタイルウェア付属のミドルレイヤーと比べて、中綿のボリュームを抑えることで重ね着しやすいシルエットにしつつも、最高級素材を使うことで保温性を維持しています。

首回りも中綿が入っているので、しっかり上までファスナーを締めたいところですが、重ね着する際に上着のファスナーと干渉してしまうことを防ぐためにファスナーの位置を少しずらしている点も見逃せません。

後ろ見ごろ脇部分はストレッチ素材に切り替えられており運動性を確保しています、裏地には裏起毛を採用しており保温性もアップ。

更にストレッチ生地部分を含めて腕の内側と体の両サイドの色が変更されています。筆者のように中年ライダーになってくると二の腕や腰回りに肉がつきやすくなり、明るい色だと余計に膨張して見えますが、黒に切り替えることで引き締まった印象になります。

気室の仕切りを織で形成しているので一般的なダウンと比べて防風性が高く、縫い目がないのでダウンの抜けを防ぎます。

取り回しの際にはバイクを傷つけないようにファスナーの下側にタテをつけているもクシタニらしい配慮です。

袖口は少々長めに作られておりライディング姿勢で手首が出ないのはもちろんですが、サムホールも設けられています。

クシタニコネクション対応の製品に関しては袖口と首部分でドッキングして一枚のジャケットのように使うことも可能ですが、普段着としても使い勝手が良いので分離した状態で使うのがお勧め。

ミドルレイヤー用として設計されてはいますが、一枚でも使いやすいように両脇にはポケットを備え、スマホなどちょっとしたものを入れておくのに便利です。

筆者は普段Sサイズを使っていますが、こちらの製品はMサイズでピッタリ。そもそもMサイズからしか用意されていませんが、通常の1サイズアップで選べば間違いなさそうです。

K-2841 ミッドベスト

  1. カラー:ブラックアウト・ベージュ・ライトグレー
  2. サイズ:M、L、LL、XL
  3. 価格:¥19,800

カラー展開はホワイトグースダウンジャケットと同様ですが、こちらは中綿の素材に化繊の高機能中綿シンサレートが採用されています。

ダウンと比べて化繊綿のメリットはメンテナンスのしやすさです。ダウンのメンテナンスは専用の洗剤と乾燥機付きの洗濯機が必要になります。また多少のコツが必要なのでクリーニング店に任せるのがお勧め。

それに対してシンサレートに関しては自宅の洗濯機で気軽に洗濯することができます。

またダウンに関しては吸湿発散性に優れていますが、保水量が増えてしまうと急激に性能が低下してしまうという欠点があります。

シンサレートに関しては吸水率が低く、湿気の多い雨天時にも水分を吸収して保温性を損ねる心配がなく、濡れてもすぐに乾きます。

ダウンに比べて抜けにくいシンサレートですが、こちらも気室を生地の織で分けているので適度に防風性があります。

またプロテクター入りの同サイズの革ジャンやタイトなライディングジャケットに合わせる場合は中綿入りならベスト一択になります。

普段クシタニのシングルジャケットを使っていますが、普段使いと兼用しているので、基本的にプロテクターはつけていません。

プロテクター抜きの状態であればホワイトグースダウンジャケットも着用できましたが、入れた状態だとかなり窮屈でした。

さらに言えば無理やり着用しても、ダウンが潰れてしまうと本来の保温性を発揮することができません。

運動性を考慮して両身頃脇をストレッチ素材に切り替えている点や、裏地に起毛素材を採用している点はホワイトグースダウンジャケット同様ですが、こちらの方がより広く切り替えられており重ね着や運動性を更に強く意識しています。

切り替えの生地色は黒なのでなかなか落ちない中年の浮き輪肉も隠してくれます。

ミッドベストに防水性はありませんが、メインファスナーは止水タイプが採用されており左胸ポケットのコーデュロイ生地と相まってアウトドアライクなイメージに貢献していますが、機能的な意味合いもあります。

クラシックな革ジャンをアウターとして使用するとタテがついておらず、一般的なファスナーが採用されることが多いので風が侵入します。

ですがミッドベストの止水ファスナーは防風性にも優れているので、アウターが通した風をシャットアウトすることができます。ファスナー下には中綿入りのタテもついているので万全です。

ポケットは両脇にファスナー付き、左胸にはフラップ付きが採用されているので、走行中にも気兼ねなく使うことができます。

両脇ポケットはスマートフォンも納まるサイズ感ですが、左胸には収まりません。ただ左胸ポケットはマチ付きなので容量的には決して少なくはありません。
タンクを傷つけないためのフラップ、背中部分にクシタニコネクションも備えます。

K-1308 ミッドジャケット

  1. カラー:ブラックアウト・ライトグレー/ブラック・ブラックツイル
  2. サイズ:M、L、LL、XL
  3. 価格;¥22,000

ブラックアウトとブラックツイル、ライトグレーの2色が用意されていますが、ライトグレーも身頃脇と腕の内側がブラックに切り替えられており、体が大きく見える膨張色ですが、スマートな印象を与えることができます。

生地の表面には重ね着しやすいスムースな防風生地が採用されており、防水透湿フィルムがラミネートすることで見た目に反して初期対水圧10000mmとクシタニの防寒テキスタイルウェアのアウター並みの性能を備えています。

メインファスナーには止水タイプを採用しており、ファスナー下にはタテがついているので雨や風の侵入をしっかり防ぎます。

ただ背中側には蒸れた空気を逃がすためのベンチレーションがあり、常時開放されているので多少雨が入ってくることも想定できます。

裏生地は起毛処理されているので、寒い冬に着用する際にひんやりすることがなく、着用した瞬間から暖かさを感じることができます。

最大の魅力は一着あると色々なシチュエーションに対応しやすいという事です。

コンパクトに畳むことができるので夏にメッシュジャケットで出かけたら、想像以上に寒かった・・・という場合にメッシュジャケットの下に着用することも可能です。

また大きめサイズを選べば、インナープロテクターの上に着用することが可能で、両脇のポケットや腕のファスナーを開ければ走行風を取り込むことができるので温度調整が容易にできます。

今回紹介したミッドベストとの組み合わせもおすすめ。ミッドジャケットは薄手なので着膨れしません。

冬でも着膨れせずスタイリッシュに着用できます

僕のお勧めはミッドジャケット+ミッドベスト+レザージャケットです。

レザージャケットは防風性が高い反面、保温性に乏しいのでミッドレイヤーでプラスする必要があります。

裏起毛のミッドジャケットと中綿入りのミッドベストをプラスすることで冬でも快適にレザージャケットを着用することができます。

冬の定番アイテムとなってきている電熱ギアもいいですが、重ね着の仕方で工夫してみても良いのではないでしょうか?

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