ビクトル・アロンソ、サンドコースでの追い上げが光ったD.I.D 全日本モトクロス選手権第5戦北海道大会

今季よりオフロードウエアを展開しはじめたKUSHITANIは、D.I.D 全日本モトクロス選手権に参戦中のオートブラザーズ所属ビクトル・アロンソをシーズンを通してサポート。第5戦北海道大会では、ビクトルがスタートから追い上げを強いられるタフなレース展開となった

D.I.D 全日本モトクロス選手権2023シリーズ第5戦は、北海道の新千歳空港から車で15分ほどの場所にある新千歳モーターランドで開催された。北海道での開催は2013年以来10年ぶり。今大会はIAクラスのみ行われ、レースは全道選手権と併催された。また、通常は土曜日と日曜日の2日間に分けて予選、決勝とスケジュールが組み立てられているが、今回は7月30日(日)のワンデイ開催。予選はタイムアタック方式で、決勝はヒート1が25分+1周、ヒート2が15分+1周という変則2ヒート制で行われた。コースはサラサラとした砂質が特徴のサンドコース。レースを重ねるごとに荒れていくコースにライダーたちは苦戦を強いられた。

ビクトルは第4戦を終えた後スペインに帰国し、地元のコースやフランスにあるサンドコースに足を運んで練習を重ねてきた。ビクトル自身サンドコースが得意であるとの言葉通り、タイムアタック形式で行われた予選は2位で通過。トップとのタイム差は0.3秒と僅差で、今大会も優勝を十分に狙える速さを見せていた。

ところがヒート1はスタートで出遅れ、6番手から追い上げのレース展開。トップ集団は柳瀬大河、池田凌、福村鎌、鴨田翔、ビクトルで構成され、1周目からトップ争いは拮抗した戦いとなった。そんな中、柳瀬が抜け出しトップを走行。ビクトルはトップ集団の中では後方に位置付けていたが、着実に順位を上げていくと、柳瀬に迫り1周目終盤でトップに浮上。そのままペースを上げ、後方との差を広げていった。25分+1周という、後半での体力が求められるレースであったが、最後までペースを落とすことなく、トップを守りきりゴール。荒れた路面に苦戦するライダーが多い中、ビクトルのサンドコースをスムーズに乗りこなすテクニックが光った。

ヒート2は15分+1周という超スプリントレース。スタートでいかに前に出られるかが優勝への鍵となった。スタートでトップに躍り出たのは横澤拓夢。ビクトルは5番手で1周目を通過し、ヒート1同様追い上げのレースとなった。1周目を終えた時点で横澤との差は7秒とかなり開いていたが、ビクトルはその差を着実に詰めていく。最後までペースを上げ続け、その差を3秒まで縮めたところでタイムアップ。結果は惜しくも2位となった。両ヒート1位とはならなかったものの、ビクトルはヒート1を1位、ヒート2を2位と大きく順位を落とすことなくレースをまとめ、見事総合優勝を獲得した。

次戦は9月9日(土)〜10日(日)、奈良県にある名阪スポーツランドで開催される。同コースは新千歳モーターランドとは土質は違うものの、ビクトルの得意なサンドコース。次戦も彼の実力が発揮されることを期待したい。

ビクトル・アロンソ
「両ヒートともスタートで前に出ることができなくて、追い上げに苦戦したよ。ヒート1は1周目でトップに立って、そのまま逃げ切ることができて良いレース展開だったと思う。ヒート2はヒート1よりもコースが荒れていて、前のライダーを抜くのがかなりハードだったね。追い上げきれなくて2位になったのは悔しい。次戦に向けてさらに努力していくよ」

なお、KUSHITANIではビクトルの要望をもとに今大会に向けてジャージを改良。新たなジャージを着たビクトルは「今までより素材が柔らかくなって、伸縮性がアップしたおかげでレース中も動きやすくなったよ。今回はジャージだけで、次回からはパンツも揃うと思うから、それも楽しみにしてる」とコメント。改良を加えたKUSHITANIウエアに今後も注目してみてほしい。

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