追い上げに悪戦苦闘したD.I.D全日本モトクロス選手権第6戦近畿大会

KUSHITANIは今季よりオフロードウエアを展開し、D.I.D 全日本モトクロス選手権2023シリーズに参戦中のオートブラザーズ所属ビクトル・アロンソと、TEAM YAMAMOTO所属の楠本菜月へシーズンを通してサポート。9月9日(土)〜10日(日)に行われた第6戦近畿大会では、両者ともに波乱の展開となった

スタートでの出遅れが響く

第5戦から約1ヶ月のインターバルを経て迎えた第6戦は、奈良県にある名阪スポーツランドで開催された。路面が荒れやすいサンドコースで、レイアウトがタイトなためパッシングポイントが少なく、スタートで前に出ることが勝利を掴む鍵となった。また、レースは30分+1周の2ヒート制で行われた。大会当日は9月とはいえ厳しい暑さが残り、ライダーの体力が試されるレースとなった。ビクトル・アロンソはIA2クラスに参戦しており、第5戦を終えた時点でポイントランキングはトップ。年間チャンピオン獲得に向けてさらに勝利を重ねていくことが求められる局面となった。

ヒート1はスタートで出遅れ、1周目を14番手で通過。追い上げの展開となったビクトルだが、ラインを見極めて前のライダーを着実にかわしていく。レース中盤には8番手にまで順位を上げ、前を走る中島漱也にプッシュしていくが、転倒により10番手にポジションダウン。前のライダーとの差は14秒ほどに開き、再び追い上げを強いられた。その後も前のライダーとの差を詰めていくが、レース終盤に転倒。追い上げきれず、24番手でフィニッシュとなった。

ヒート2はレース序盤で9番手を走行。ヒート1と同じく追い上げの展開となった。レースを重ねていくごとに路面が荒れていく中、ビクトルはペースを落とすことなく6番手に浮上。レース後半には、拮抗する4番手争いに加わるかと思われたが、レース終盤に転倒。結果、12番手でレースを終えた。

レースを振り返り、アロンソは「日本に来てから最も悪い週末だったよ。転倒したことで調子が上がらなくて、身体のコンディションも良くなかった。次戦は日本のコースの中でもすごく好きなコースだから、楽しみにしているよ」と悔しさを滲ませつつ、前向きに次戦を見据えた。なお、第6戦を終えた時点でのポイントランキングは、変わらずビクトルがトップであるが、2位につける横澤拓夢が17ポイント差に迫っており、油断できない状況となった。

次戦HSR九州大会は10月9日(日)で、今季2度目のIAクラスのみの開催となる。新たな取り組みとしてIA-OPENクラスが設定されているのも見どころだ。内容は20分+1周の2ヒートに加え、3ヒート目として、各クラス2ヒート終了時点の総合順位上位15名が参加するIA-OPENのレースが行われる。IA2クラスでのトップ争いはもちろん、全日本の舞台では競い合うことのないIA1クラスにどう仕掛けていくのかにも注目したい。

転倒により決勝リタイヤ、悔しさを糧に次戦へ

レディースクラスは第4戦から約2ヶ月のインターバルを経て今大会を迎えた。楠本にとって名阪スポーツランドは地元ということで、インターバルの間に乗り込み、レースに向けて調整を行なってきた。土曜日の朝に行われた練習でも楠本は5番手のラップタイムを記録し、調子の良さを見せる。しかし、迎えた予選で激しく転倒。これにより脳震盪を起こし、決勝はリタイヤとなった。現在は回復しているとのことで、次戦に向けて気持ちを切り替えている模様。

次にレディースクラスが開催されるのは、10月28日(土)〜10月29日(日)に埼玉県のオフロードヴィレッジで行われる第8戦。楠本にとって苦しい状況が続いているが、ここで実力を発揮してくれることに期待したい。

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