MotoGP第13戦アラゴンGP/Moto2ライダーの小椋藍選手、一時は3番手走行もフロントタイヤの問題により8位でレースを終える

 9月12日、MotoGP第13戦アラゴンGPの決勝レースがスペインのモーターランド・アラゴンで行われました。クシタニがサポートするMoto2クラスのIDEMITSU Honda Team Asiaライダー、小椋藍選手は8位、ソムキアット・チャントラ選手は転倒リタイアでした。Moto3クラスのHonda Team Asiaライダー、國井勇輝選手は17位、アンディ・ファリド・イズディハール選手は20位でレースを終えました。

 前戦イギリスGPでは低い気温と路面温度の中で行われましたが、モーターランド・アラゴンのコンディションは路面温度が40度近くにもなりました。また、アラゴンGPの決勝日午前中に行われたウオームアップ・セッションでは、霧によりスタートが45分遅れました。Moto2クラス、Moto3クラスのウオームアップ・セッションは当初20分の予定だったところ、10分に短縮となり、各ライダーは決勝レースを迎えました。

■Moto2クラス(21周)

 Moto2クラスの決勝レースを、小椋選手は2列目5番グリッドから、チャントラ選手は9列目27番グリッドからスタート。小椋選手は序盤から4番手につけると、チャンピオンシップリーダーのレミー・ガードナー選手(Red Bull KTM Ajo)を交わして3番手争いを展開します。一時は3番手に浮上した小椋選手。しかし再びガードナー選手に交わされると、3番手を走るガードナー選手と4番手の小椋選手との差は次第に開いていきました。

 ガードナー選手から遅れ始めた小椋選手は、7周目以降に後方から迫るライダーに相次いで交わされ、7番手に後退。その後もペースに苦しみながら、7番手付近のポジションで走行します。一方、チャントラ選手は21番手から17番手に浮上しましたが、トラックリミット違反(※1)によるロングラップ・ペナルティ(※2)を受けてしまいます。

 小椋選手は終盤に3人のライダーによる7番手争いを展開。一つポジションを落とし、8位でチェッカーを受けました。チャントラ選手はペナルティを消化したのち再び17番手に浮上しましたが、残り3周の5コーナーで転倒を喫し、リタイアでレースを終えています。

※1:ライダーが走行中にトラック(コース)の制限、具体的にはゼブラゾーンを超えたグリーンの部分にフロントまたはリヤタイヤが出ること。レースでは5回目でロングラップ・ペナルティの対象になる。

※2:コース上のランオフエリアに設定された、通常よりも大回りとなるエリアを通過しなければならないペナルティ。これにより、ライダーはレースを継続しながらも、ペナルティを消化したラップでは数秒のタイムを失うことになる。

小椋 藍選手(IDEMITSU Honda Team Asiaプレスリリースより)

「レース序盤、しっかりとスタートも決まり、バイクのフィーリング、そしてタイムもとても満足のいくものでした。しかし、4周目、5周目を過ぎたあたりから、フロントタイヤのフィーリングに問題が出始め、その理由が見つからず、状況に完全に適応できませんでした。問題の一つは経験で、もう一つはこの問題に適応する能力が足りなかったことです。レースを終え、多くの事を学びました。というのは簡単なのですが、今回は、レースを通して、本当に多くの事を学べました。次はミサノ(第14戦サンマリノGP)です。またしっかりとレースを戦います」

小椋選手(#79)はフロントタイヤのフィーリングの問題により後退した

ソムキアット・チャントラ選手(IDEMITSU Honda Team Asiaプレスリリースより)

「今日の一番の問題は、27番グリッドというポジションからのスタートでした。最初の瞬間から、私は前にいるライダー達を追い越すため、できる限りのプッシュをしました。そして17番手あたりを走行していた時、ロングラップ・ペナルティを受けてしまいました。その後、またグループに追いつこうとしたのですが、フロントタイヤのグリップをなくしてしまい転倒してしまいました。私のミスです。チームに対して申し訳ない気持ちです。次のミサノでは、もっと前のポジションからスタートできるように頑張ります」

ロングラップ・ペナルティを受け、終盤に転倒リタイアとなったチャントラ選手

■Moto3クラス(19周)

 決勝日最初に行われたMoto3クラスの決勝レースが始まるころには霧が晴れ、予定通り現地時間11時にスタート。國井選手は9列目25番グリッド、アンディ選手は9列目26番グリッドから決勝レースを迎えました。序盤は國井選手が25番手、アンディ選手が26番手付近で周回を重ねます。
 
 レース中盤、國井選手は22番手、アンディ選手は24番手に浮上。残り4周に入って國井選手は20番手争いを展開します。さらに國井選手は前を走るライダーの転倒などもあり最終ラップでポジションを上げ、17位でフィニッシュしました。アンディ選手は20位でレースを終えています。

國井勇輝 選手(Honda Team Asiaプレスリリースより)

「スタートを失敗し、その後、リカバーしようとし、前のグループを捉えたのですが、彼らと戦うことができませんでした。バイクにも気持ちよく乗れず、その場所に留まることができませんでした。最後のラップまで戦い続けようとしたのですが、今日のレースは自分にとって満足できるものではありませんでした。ベストの走りをすることができず、申し訳ない気持ちで一杯です。次はミサノでのレースです。今回のレースを糧に、次のレースを頑張ります」

3戦連続ポイント圏外。國井選手(#92)にとって厳しいレースが続く

アンディ・ファリド・イズディハール 選手(Honda Team Asiaプレスリリースより)

「正直なところ、レースの序盤は自信を持っていました。今朝のウオームアップで、セットアップを少し変更し、バイクのフィーリングは良くなりました。しかし、5周目を過ぎた頃、バイクのフィーリングが変わり始めました。グループ内になんとか留まろうと試みましたが、残念ながらできませんでした。プッシュしてもタイムは伸びませんでした。何が起こったのか、しっかりと解析して、次のミサノのレースに臨みます」

イギリスGPを欠場したため2戦ぶりのレースとなったアンディ選手

世界で戦うライダーを支える

クシタニがサポートするMoto2、Moto3ライダー

Moto2クラス(チーム:IDEMITSU Honda Team Asia)

小椋藍 選手/ソムキアット・チャントラ 選手

Moto3クラス(チーム:Honda Team Asia)

國井勇輝 選手/アンディ・ファリド・イズディハール 選手

写真:Idemitsu Honda Team Asia / Honda Team Asia

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