MotoGP™第20戦バレンシアGP/参戦2年目のMoto2™クラスで小椋藍選手がランキング2位を獲得

11月6日、MotoGP™第20戦バレンシアGPの決勝レースがスペインのサーキット・リカルド・トルモで行われました。クシタニがサポートするMoto2™クラスのIdemitsu Honda Team Asiaライダー、小椋藍選手は最終戦までタイトル争いを展開し、ランキング2位を獲得しました。

シーズン後半戦以降、タイトル争いは小椋選手とアウグスト・フェルナンデス選手(Red Bull KTM Ajo)の二人にしぼられていました。レースを重ね、二人はランキングトップとランキング2番手を何度か入れ替え、フェルナンデス選手は第18戦オーストラリアGPで転倒し、第19戦マレーシアGPでは、小椋選手がトップ争いを演じる中で転倒。バレンシアGPを迎え、ランキングトップのフェルナンデス選手とランキング2番手の小椋選手との間には、9.5ポイント差がありました。小さな差ではありませんが、逆転することが十分に可能なポイント差です。

予選ではフェルナンデス選手がフロントロウ3番手、小椋選手は2列目5番手となります。追う立場の小椋選手は、レースに向けて「全開で行って、あとは相手次第」と語っていました。

フリー走行3の小椋選手のピットでの様子

迎えた決勝レース。5番グリッドからスタートした小椋選手は、オープニングラップでフェルナンデス選手をかわして4番手に浮上します。さらに前のライダー二人がトップ争いによってラインを外してワイドになったすきに、2番手に浮上。前を走るトニー・アルボリーノ選手(Elf Marc VDS Racing Team)を追いかけました。

2周目には2番手に浮上。その後、アコスタ選手(#51)が小椋選手に迫る

しかし、小椋選手の背中にはペドロ・アコスタ選手(Red Bull KTM Ajo)が迫ります。8周目、小椋選手とアコスタ選手は激しい2番手争いを展開。小椋選手は「ペースはアコスタの方がよかったから、アコスタに先行を許したら、もう今日は(可能性が)ないと思っていた」と言います。フェルナンデス選手とのポイント差を考えれば、優勝しかない。小椋選手はそう考え、だからこそアコスタ選手を抑える必要があったのです。

アコスタ選手から2番手を奪い返し、高速コーナーの7コーナーを抜け、そして8コーナーに差し掛かったときに小椋選手のフロントタイヤが切れ込みます。そして、スリップダウン。小椋選手はマシンとともにグラベルに転がっていきました。転倒リタイアでした。

転倒という結果ではあったが、そのときまで攻めたレースだった

「(ブレーキの)握りすぎですね。一瞬の出来事すぎて、何かするということもなく転んじゃいました」と、小椋選手は“そのとき”を振り返りました。

タイトル獲得がかかる最終戦の週末、小椋選手はいつもと変わらないように見えました。決勝日、朝起きたときは「どんな感じになるんだろうなと思っていました」と語ります。「楽しみというと変だけど、どこまでできるか、って。今日は、攻めの気持ちで100パーセント、いられたかなと思います」

グリッド上でも緊張はなかったそうです。「いつもより多少、リラックスしていたかな。同時に攻めるしかない、と思っていました。それが、ああいう展開につながったんだと思います」

チャンピオンという頂に向かい、最終戦の決勝レースを100パーセント、攻めの気持ちで走った小椋選手。獲得したランキング2位は、来季につながる結果となったはずです。

小椋選手はそんな今季から得たものについて、「(ロードレース世界選手権での)初優勝を飾れて(スペインGP)、3勝できました。コンスタントに走れたし、負けてしまったけど、チャンピオンシップを争うこともできたので、地力を上げれば来年に向けてはいいかなと思います」と語っています。

小椋選手は2023年シーズンも引き続き、Moto2™クラスに参戦します。今季の経験を元に、さらに力強くチャンピオン争いに挑むに違いありません。

写真:Idemitsu Honda Team Asia / Honda Team Asia

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