気候風土の違いが味わいの違いを生む
前回、コーヒーの味は「生産地で決まってしまう」と書きましたが・・・
では、どのように決まってくるのかお話ししていきます。
コーヒーは、赤道を中心に北緯20度、南緯20度に挟まれる帯状地帯で生産されます。通称コーヒーベルトとも呼ばれます。
この帯状地帯に入る国は、概ねコーヒーが栽培可能です。
同じ帯状地帯に入る国なのですが、中米、南米、アフリカ・・・それぞれに気候風土が違います。
この気候風土の違いが、味わいの違いを生み出します。
国によりまた、気候風土が違うので味わいが違ってきます。
これが、いわゆるストレート(最近では、シングルオリジンなどと小洒落て言われています)と呼ばれるコーヒーです。
では、ブラジルのコーヒーはみんな同じ味なのか?
と言うと、またこれが違います。ブラジルは、大きい国なので生産される場所でまた気候風土が違い、味わいが違います。
さらに、同じエリアにある農園であっても、山を隔てて隣り合わせの農園などでは、風や日照時間、土壌等々の僅かな違いで味わいの違うコーヒーが出来るのです。
このような限られたエリアで起こる微小気候(マイクロクライメット)がコーヒーの味わいに大きな影響を及ぼし、味わいを作るのです。
極論を言うと・・・良い味わいのコーヒーが出来る場所に農園があるだけでその農園は、他の農園より一歩リードしたことになります。
とは言え、全て自然のことなのでいつも一定では無いし、最近の気候の変化でどうなるか分かりませんが。
コーヒーは、植物なので自然の環境に大きく左右されると言うことです。
次に、コーヒーにはたくさんの品種があります。(ここでは、ざっくりとお話しします)
品種により出てくる味わいが、また違います。
よく言われる3大品種。
その1 アラビカ種
酸味があり香りも豊か、生産性も程よくあるが、若干病害虫に弱い傾向がある
その2 ロブスタ種(カネフォーラ種)
酸味があまりなく、独特な香りを持つ。生産性が高く比較的病害虫に強い
その3 リベリカ種
病害虫に弱く生産性も良く無いので、現在ではほとんど生産されていない。
3大品種とは名ばかりで実際には2品種が生産されています。
アラビカ種は、一般的なコーヒー。ロブスタ種は、缶コーヒーなどの原料に多く使われると聞いています。
品種のことは、色々と難しく大変なので最近流行したことをお話しします。
コーヒー豆が大きく香りも独特で人気が出ました。
さて、次は収穫して処理を行いますが、ここでまた味わいに深く関係してくることがあります。その話は次回につづきます。
羽田圭伸(はねだ けいしん)
静岡県浜松市のスペシャルティコーヒー豆専門店「コーヒー屋ポンポン」のマスター。自身もバイク乗りで、店名のポンポンは遠州地方の言葉でバイクの意。クシタニ カフェのコーヒーの監修とコーヒー豆の供給を行う。ジャパン・バリスタ選手権審査員、カップ・オブ・エクセレンス国際審査員。店内にはオリジナルブレンドで人気の「カフェ・ポンポン」をはじめ、「カフェ・ガードナー」「カフェ・クロスビー」「カフェ・ロッシ」などライダーに所縁ある名の商品も並ぶ。