【温故知新】モト・グッツィのルーツを辿り、一世紀を越えて現代に承継したもの

2023年6月上旬、アネスト岩田ターンパイク箱根(神奈川県小田原市)で、モト・グッツィのミーティングイベント『モト・グッツィ イーグルデイ ジャパン2023』が開催されました。

モト・グッツィオーナーのほか、モト・グッツィに興味のある方、モト・グッツィってどんなブランド?・・・といった方まで、どなたでも参加可能なこのイベントに、開催当日はたくさんの人で賑わっていました。

私(木村亜美)もイベント当日は、週刊バイクTVの取材で現地レポート!・・・とは言いつつも、みなさんと一緒にモト・グッツィの世界観を楽しんでおりました。

イタリアの老舗バイクメーカー、モト・グッツィ。2021年に創業100周年を迎え、2023年にはモト・グッツィ初の水冷エンジンを搭載したV100 マンデッロを発表しました。

▲ ピアッジオグループジャパン株式会社 代表 ネリ・ミクラウス氏と、車両はモト・グッツィ V100 マンデッロ

▲ 週刊バイクTV(チバテレ)の取材で、試乗を終えたお客様にインタビューをする私

さてそこで、モト・グッツィとはどんなブランドなのでしょうか。100年以上もの長きに渡りオートバイを造り続けることができる企業、その間には戦争があり、終戦後のせわしない時代を乗り越え、そして現代にいたるまでの長い歴史に触れることで、これまでとはまた違った視点でモト・グッツィを味わうことができます。

モト・グッツィのはじまり

イタリア最古のモーターサイクルメーカー『モト・グッツィ(MOTO GUZZI)』。その始まりは第一次世界大戦の頃に遡ります。

「戦争が終結したらモーターサイクルメーカーを創ろう」と誓い合った、2人のパイロットと1人のメカニック・・・3人の若者が共に夢を追いかけていたその矢先、1人が航空機事故により殉職、3人で起業・・・という夢は叶うことはありませんでした。

モト・グッツィのブランドロゴである翼を広げたイーグルマークは、共に夢を追いかけ 志半ばで先立った仲間を偲び採用されたものになります。

そして1921年ついにモーターサイクルメーカー『モト・グッツィ』の歴史がスタートしました。

モト・グッツィは、イタリア国内でベストセラーとなるオートバイを製造したり、あらゆるレースに参戦し勝利を収めるなど、オートバイメーカーとして多くの功績を残しました。

モト・グッツィがレース活動から勇退した1957年には、500cc V8エンジンを搭載したマシン(オット・チリンドリ)が時速285kmを達成したというから驚き。この時代に、その速さで走るV8エンジンのオートバイって、まるでF1マシンのようで鳥肌が立ちますね。いまでも現存するならぜひとも拝見したい・・・。

▲ モト・グッツィ オット・チリンドリ(500cc 水冷4ストロークV8)

1960年代末、モト・グッツィの代名詞となる縦置き 90° Vツインエンジンが開発され、V7シリーズなどのモデルに搭載されました。いまも多くの人に愛されている V7シリーズには、初期プロトタイプ製作の頃の改良がいまも受け継がれ、活かされていると思うと感慨深いです。

▲ V7はイタリアの警察車両として活躍

その後、アメリカの警察車両として採用されたモト・グッツィ カリフォルニア。長時間のライディングでも快適に、そして機能的に乗れるオートバイとして改良を重ね、長きに渡りハイウエイ パトロール隊の車両として活躍しました。

時代が進むにつれモト・グッツィはその時代に沿う新たなオートバイを精力的に開発し、そして世界的に多くのファンを魅了するイタリアの象徴的なモーターサイクルメーカーに成長しました。

▲ アメリカの警察車両として採用されたモト・グッツィ カリフォルニア

創業100周年を越えて

モト・グッツィの工場は、イタリアの風光明媚な田舎街、コモ湖のほとりのマンデッロ・デル・ラーリオにあります。ここでモト・グッツィは創業当時から変わらず、1台ずつ丁寧に組み上げられ完成します。

モト・グッツィ工場にはブランドロゴが大きく描かれた赤いゲートがあり、世界中のモト・グッツィファン、つまり『グッツィスタ』の人たちが愛車とともに赤いゲートの前で記念撮影をする・・・いわゆるライダーの聖地となっているそうです。

さらにここには、歴代モト・グッツィが製造してきた貴重なオートバイの数々が展示されているモト・グッツィ ミュージアムがあります。モト・グッツィ オーナーでなくても是非とも1度は訪れたい場所です。

▲ モト・グッツィ工場のある街 イタリア マンデッロ・デル・ラーリオ

故きを温ね新しきを知る(ふるきをたずねあたらしきをしる)

僭越ながら、私がモト・グッツィの長く名誉ある歴史を語らせていただくのは大変恐縮ではございますが、例えば いま手元にある愛車のルーツをたどり、そのオートバイに込められた想いや情熱、生まれた場所の情景を思い描くことで、またさらに愛着が湧き、オートバイの楽しみ方も増えるかと思います。

▲ モト・グッツィ V7 ストーン

さて、舞台はモト・グッツィのミーティングイベント『イーグルデイ』に戻りますが・・・。

イベント当日は、新旧たくさんのモト・グッツィが集合し、日本国内でもモト・グッツィはずっと愛され続けているブランドなんだと、改めて実感しました。

ご来場のお客様にモト・グッツィの魅力を伺うと「独特の鼓動感が やめられない」、「バイクがお洒落で、ウエア選びまでも楽しくなる」、「グッツィにはグッツィにしかない味わい深さがある」・・・など、日本のグッツィスタな方々も、他にはないオリジナリティを愉しまれているようでした。

今年2023年のモト・グッツィ注目車両は、初の水冷エンジンを搭載したV100 マンデッロのほか、人気のV7 シリーズ、V9ボバー、アドベンチャーバイクのV85TTなど、個性的なキャラクターに富んでいます。

どれも全国のモト・グッツィ正規販売店で実車をご覧いただくことが可能です。

そしてご試乗の際は、モト・グッツィが生まれた街、イタリア コモ湖のほとり マンデッロ・デル・ラーリオ を想像してみると ちょっとだけ、いつもとは違うモト・グッツィのフィーリングを感じ取れるかもしれません ^^

▲ 1921年、モト・グッツィ 初代モデル ノルマーレ(Normale)

▲ 2023年、モト・グッツィ初の水冷エンジンを搭載したV100 マンデッロ(V100 Mandello)

あみーご(木村亜美)


【動画はこちら】

”This is our History, this is Moto Guzzi”| MOTO GUZZI ドキュメンタリー (日本語字幕)

 

モト・グッツィ イーグルデイ 2023|MOTO GUZZI EAGLE DAY JAPAN 2023


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