10月24日、MotoGP第16戦エミリア・ロマーニャGPの決勝レースがイタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われました。クシタニがサポートするMoto2クラスのIDEMITSU Honda Team Asiaライダー、小椋藍選手は9位、ソムキアット・チャントラ選手は転倒リタイアでした。Moto3クラスのHonda Team Asiaライダー、アンディ・ファリド・イズディハール選手は15位、國井勇輝選手は転倒リタイアでレースを終えました。また、今大会にはワイルドカードとしてジュニア・タレント・チームのマリオ・スリョ・アジ選手が参戦し、21位でした。
第16戦エミリア・ロマーニャGPは、9月中旬に行われた第14戦サンマリノGPと同サーキットでの開催で、アメリカズGPを挟んで今季2度目のミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリでのレースとなりました。しかし天候はサンマリノGPとは異なり、金曜日、土曜日は天候に恵まれず、低い気温と、ほぼウエットコンディションでの走行となります。日曜日の決勝レースはドライコンディションで行われたものの、ライダーたちはドライでの走行時間が多くはないまま決勝レースを迎えることになりました。
■Moto2クラス(25周)
チャントラ選手は4列目10番グリッド、小椋選手は6列目18番グリッドからMoto2クラスの決勝レースを迎えました。チャントラ選手は好スタートを切り、1周目に5番手に浮上します。片や小椋選手は序盤に一つポジションを落とし、19番手。その後、18番手にポジションを上げます。
チャントラ選手は一つポジションを落としたものの、6番手を走行していました。しかし、8周目の14コーナーで、チャンピオンシップのランキングトップ、レミー・ガードナー選手(Red Bull KTM Ajo)がチャントラ選手のインにバイクをねじ込んだそのとき、ガードナー選手のリヤタイヤとチャントラ選手のフロントタイヤが接触。チャントラ選手はこの接触により、転倒を喫してリタイアとなりました。この接触は審議の対象となり、ガードナー選手はレース中盤、スチュワード・パネルによりロングラップ・ペナルティ(※)が科されました。
小椋選手は9周目に15番手に浮上。さらに少しずつポジションを挙げ、レース終盤には9番手につけると、そのまま9位でチェッカーを受けました。
※コース上のランオフエリアに設定された、通常よりも大回りとなるエリアを通過しなければならないペナルティ。これにより、ライダーはレースを継続しながらも、ペナルティを消化したラップでは数秒のタイムを失うことになる。
小椋 藍選手(IDEMITSU Honda Team Asiaプレスリリースより)
「グリッドの後方からのスタートとなったことで、序盤の数ラップはリズムを作るのにとても苦労し、その中で他のライダーとの戦いもあったため、ポジションをいくつか落としてしまいました。またそこで多くの時間をロスしてしまいました。その後、上位集団を追いかけようとしたのですが、彼らのペースは私より良く、捕まえることができませんでしたので、25ラップのレースをしっかりと完走できるようにと気持ちを切り替えました。前方で多くの転倒があったこともあり、最終的には9位でゴールできました。トップ10で終えることができたことについては良かったと思います。今日はまた違った経験をできましたし、それは今後のレースを戦って行くうえで、とても重要なことであったと思います」
ソムキアット・チャントラ選手(IDEMITSU Honda Team Asiaプレスリリースより)
「今日は、本当に残念で仕方がありません。前回のオースチン(第15戦アメリカズGP)と同じように、バイクは素晴らしいセッティングでした。特にセクター1でのバイクは完璧でした。スタートも上手く決めることができ、誰かが私に接触し、転倒するまでは、上位集団でレースを戦えていました。少し腹も立ちましたが、今のこの勢いを維持して、次のレースにまた挑戦します」
■Moto3クラス(23周)
國井選手はウエットコンディションで行われた予選で、今季の自己ベストグリッド、13番手を獲得。5列目から決勝レースを迎えました。アンディ選手は5列目15番グリッド、アジ選手は8列目23番グリッドからのスタートです。
午前中のウオームアップ・セッションでは濡れた部分が多く残る路面状況でしたが、Moto3クラス決勝レーススタート時刻の現地時間11時にはほぼドライのコンディションとなりました。
國井選手は序盤にポジションを落としてしまい、5周目には21番手を走行。一方、アンディ選手は17番手、また、世界選手権Moto3クラスでの初レースとなったアジ選手は27番手につけていました。
アンディ選手はレース中盤に13番手に浮上し、第2集団をけん引。國井選手は19番手、20番手争いを展開していました。しかし、残り3周の8コーナーで転倒を喫し、リタイアとなりました。
アンディ選手はレース終盤にポジションを落として15位フィニッシュ。アジ選手は世界選手権での初レースを21位で終えました。
アンディ・ファリド・イズディハール 選手(Honda Team Asiaプレスリリースより)
「今週のミサノは、今朝のウォームアップまで、ウェットコンディションでしたので、ずっとレインタイヤでの走行でしたが、レースは路面がドライになったことで、スリックタイヤでの走行となりました。適応するには時間が必要でしたが、最終的にはポイントも獲得できて、ポジティブな形で終えることができました。レースの残り5ラップぐらいから、リアタイアのグリップに問題がありましたが、最後まで走り切れ、良かったと思います。今回、(予選)Q2に進出できたことで、グリッドの前の方からスタートでき、それが私を助けてくれたと思います。次戦のポルティマオ(第17戦アルガルベGP)でもしっかりと作業を進め、レースに挑みます」
國井勇輝 選手(Honda Team Asiaプレスリリースより)
「今日は、路面が完全にドライとなり、昨日までとは全く違う状況でのレースとなりました。レースがスタートした時点で、私はグループの中にいましたが、フロントに良いフィーリングを持てませんでした。そのような状況の中、プッシュし続けたのですが、 レースも残り3ラップ、8コーナーでフロントのグリップを無くして転倒してしまいました。今日はウェットからドライに変わったことに上手く適応できず、自分の走りに自信を持てませんでした。将来に向けて、このような状況の中でも、しっかりと自分の走りをマネージメントできるようになる必要があります」
マリオ・スリョ・アジ 選手(Honda Team Asiaプレスリリースより)
「今週は、レースウィークにおける作業の進め方について、たくさんの経験を積むことができました。結果は良くはありませんでしたが、自分の今のベストを尽くせたと思っています。大切なことは、世界選手権というレースについて、多くの事を学べたことで、これは必ず次のレースに生かすことができます。次戦のポルティマオでも新しい学びの機会があります。今回の経験を生かして、レースができると思いますので、とても楽しみです」
世界で戦うライダーを支える クシタニがサポートするMoto2、Moto3ライダー
Moto2クラス(チーム:IDEMITSU Honda Team Asia)
小椋藍 選手/ソムキアット・チャントラ 選手
Moto3クラス(チーム:Honda Team Asia)
國井勇輝 選手/アンディ・ファリド・イズディハール 選手/マリオ・スリョ・アジ 選手
写真:Idemitsu Honda Team Asia / Honda Team Asia