6月20日、MotoGP™第8戦ドイツGPの決勝レースがザクセンリンクで行われました。クシタニがサポートするMoto2™クラスのIDEMITSU Honda Team Asiaライダー、ソムキアット・チャントラ選手は18位でフィニッシュ、小椋藍選手は転倒リタイア。Moto3™クラスのHonda Team Asiaライダー、アンディ・ファリド・イズディハール選手は15位、國井勇輝選手は転倒リタイアでレースを終えました。
ドイツGPの舞台となるザクセンリンクは、MotoGPが開催されるサーキットの中でも全長が短く、また、左回りのテクニカルなレイアウトを持ち、左コーナーが10カ所なのに対し、右コーナーはわずか3カ所であるのが特徴です。パドックも比較的狭く、コースを挟んで第1パドックと第2パドックに分かれています。
■Moto2™クラス（28周）
Moto2™クラスの決勝レースを、小椋選手は3列目8番グリッド、チャントラ選手は5列目13番グリッドから迎えました。レース序盤、小椋選手は7番手を走行。チャントラ選手はミスを犯してポジションを落とします。
小椋選手が属するグループは優勝、表彰台争いのポジションからは離れていましたが、14周を終えてレース折り返しに入っても、小椋選手は安定して7番手を走行していました。17周目には6番手のライダーを交わすことに成功。小椋選手は6番手に浮上しました。一方、チャントラ選手は16周目の1コーナーでコースアウトを喫してしまいます。チャントラ選手はグラベルに飛び出し、転倒は免れましたが大きく後退することになりました。
小椋選手と、その前を走る5番手のライダーとの差は0.5秒ほど。次第にその差は縮まっていきます。残り6周には5番手のライダーのすぐ背後に迫り、ギャップはほぼなくなりました。
そして残り5周の12コーナーで前のライダーのインに飛び込むと、ついに5番手に浮上しました。しかし、小椋選手は最終ラップの8コーナーで転倒を喫してしまいます。5番手走行中でしたが、ここでリタイアとなりました。チャントラ選手は、最終的に18位でチェッカーを受けています。
ソムキアット・チャントラ 選手（IDEMITSU Honda Team Asiaプレスリリースより）
「レースの序盤から、できる限りプッシュして走ったのですが、（予選で発生した）フロントの問題がまだ続いていたこともあり、とても難しいものとなりました。毎ラップ、懸命にプッシュして走ったことにより、ミスを犯してしまいました。レース中、自分の体の位置を変えたり、色々なことを試したのですが、上手くいきませんでした。自分にできるベストは尽くしました。次のレースはきっと良くなると思っています」
小椋藍 選手（IDEMITSU Honda Team Asia）
「レース全般を見ると、良かったと思います。表彰台に登ったライダー達と同じように走れ、表彰台に近づいたと感じました。レースを学べた良い週末だったと思うのですが、私はレースを完走しなくてはなりません。そうでないなら、何の意味もありません。レース中は、リスクを感じず走行していましたが、最後に私のミスで転倒してしまいました。これについては、言い訳できません。今は、アッセン（第9戦オランダGP）でのレースに集中しています。アッセンでは、レース中のペースアップと、レースでの順位の改善が必要です」
■Moto3™クラス（27周）
Moto3™クラスの決勝レースを、國井選手は6列目16番グリッド、アンディ選手は9列目26番グリッドから迎えました。レース序盤は國井選手が15番手から16番手、アンディ選手は23番手付近での走行となります。
しかし、國井選手は4周目の13コーナーでイン側のライダーと接触し、やや外側に押し出されるような形となって転倒。ここでリタイアとなりました。このとき國井選手の内側にいたライダーには、その後ロングラップ・ペナルティ（※1）が科されています。
このレースでは多くの転倒が発生し、接触やトラックリミットを超えた走行（※2）などによるペナルティを受けたライダーもおり、荒れた展開となりました。こうした状況の中、残り10周時点でアンディ選手は14番手で走行していました。
アンディ選手は終盤で一つポジションを落としたものの、ザクセンリンクでの初レースを自己ベストリザルトタイの15位でフィニッシュ。ポイントを獲得しました。
※1：コース上のランオフエリアに設定された、通常よりも大回りとなるエリアを通過しなければならないペナルティ。これにより、ライダーはレースを継続しながらも、ペナルティを消化したラップではタイムロスすることにになる。
※2：ライダーが走行中にトラック（コース）の制限、具体的にはゼブラゾーンを超えたグリーンの部分にフロントまたはリヤタイヤが出ること。レースでは5回目でロングラップ・ペナルティの対象になる。
アンディ・ファリド・イズディハール 選手（Honda Team Asiaプレスリリースより）
「予選やウォームアップの時と比べ、レースでは、気象条件が大きく変化しました。今日は風が吹いたこともあり、この条件下でのスピードのコントロールは困難を極めました。しかし、一番の問題は、レースの序盤に私がミスを犯してしまい、上位グループから離されてしまった事です。グループの中で走れば、リズムを維持できるのですが、単独で走るとそれが上手くいきません。最終的に15位でゴールできたのですが、私の前で多くの転倒がありました。それもあり、今回の順位は自分にはふさわしくないと思います。しかし、今後も彼らと一緒に走れるように、引き続き作業を進めていきます」
國井勇輝 選手（Honda Team Asiaプレスリリースより）
「今日の結果には、とてもがっかりしています。初めてスタートを決めることができ、トップのグループの中で、バイクに自信をもって走ることができていました。また、タイヤを無駄に摩耗させず、リスクを最小限に抑え、自分のレースをしっかりと管理できていたと思います。しかし、4周目に、（ジャウメ・）マシア選手と接触したことにより、転倒してしまいました。多分、原因は、この激しいトップ集団の中で、自分が十分にプッシュしなかったことにあると思います。この経験を次回のレースに生かします」
世界で戦うライダーを支える
クシタニがサポートするMoto2™、Moto3™ライダー
Moto2™クラス（チーム：IDEMITSU Honda Team Asia）
小椋藍 選手／ソムキアット・チャントラ 選手
Moto3™クラス（チーム：Honda Team Asia）
國井勇輝 選手／アンディ・ファリド・イズディハール 選手
写真：Idemitsu Honda Team Asia / Honda Team Asia
2021年シーズンの同レース関連記事：
6月6日、MotoG™P第7戦カタロニアGPがスペインのバルセロナ・カタロニア・サーキットで行われました。クシタニがサポ…
5月30日、MotoGP™第6戦イタリアGPの決勝レースがムジェロ・サーキットで行われました。クシタニがサポートするMo…
5月16日、MotoGP™第5戦フランスGPの決勝レースがル・マン-ブガッティ・サーキットで行われました。クシタニがサポ…
