オフテクをマナボウ「最初にやるべきマシンセッティング」|KUSHITANI OFFROAD METHOD

”オフテクをマナボウ”では、全日本モトクロス選手権IA1クラスで5度チャンピオンを獲得し、世界選手権にも出場した経験を持つ山本鯨氏を講師に迎え、オフロードバイクのライディングテクニックを学んでいく。

#2 最初にやるべきマシンセッティング

 

第1回ではバイクの「芯」をテーマとして、芯を捉えてバイクに乗るためのライディングポジションについて学んだ。芯を捉えるためにはリラックスした姿勢で乗ることが重要であり、リラックスした姿勢はハンドルの角度やレバーの高さなど、マシンセッティングによって作ることができる。ということで、第2回のテーマは「マシンセッティング」。自分に合わせてバイクの各部を調整することで、無駄な力が入らない、自然な姿勢でバイクを楽しめるようになる。

 

乗る前に確認すべき3つのポイント

バイクをセッティングするにあたって、まず決めておきたいのが、ハンドルの角度とレバーの位置である。この2つの位置はライディングフォームに直結する部分であり、自然なフォームづくりのためにも必ずノーマル状態から調整したい最重要ポイントだ。

ハンドルの角度

ハンドルの角度が低すぎたり高すぎると腕や胸に力が入ってしまう。初めてのバイクに乗る際には、無駄な力の入らない自然なポジションで乗れるように、ハンドルの角度を調整することが大切だ。

ハンドルバーはクランプ部の4つのネジで固定されており、この4つのネジを緩めることで簡単に角度を調整することができる。

ハンドル角度のベストな状態は、写真右側のようなポジション。肩が上がったり、肘が下がったりしない、どこにも無駄な力が入っていない状態がベストだ。ハンドルを手前に倒して位置を低くした姿勢(写真左側)を見ると、少し猫背で肘が下がっている。これは山本にとって低すぎるポジションであり、バイクに乗った時に腕に力が入ってしまうので正しい角度とは言えない。

なお、ライダーの身長や腕の長さなど体型によってフィットするポジションは変わってくる。例えば、小柄な人の場合は山本のポジションでは高く、むしろ低めにすることで肘の位置が自然になる。反対に、山本よりも体格が大きい人の場合は、山本のポジションでは低く、肘が下がってしまう。実際にバイクに跨ってハンドルを握りながら、最適な位置を見つけていこう。

レバーの高さ

ブレーキとクラッチレバーの高さによって、腕の角度や肘の高さが変わってくる。そのため、自然なフォームを作るためには適切な高さに調整することが重要だ。

例えば、レバーの位置を高くすると、レバーを触ろうとした時に肘を内側に入れないとレバーが触れない。そのままレバーを触ろうとすると腕や手首に力が入ってしまうため、バイクに乗っている時にすぐに疲れやすくなってしまう。レバーの高さの目安としては、肘の高さとレバーが一直線になる位置が、無駄な力の入らない自然なポジションとなる。 

 なお、セッティングの順番としては、バイクに跨った時のポジションを決定した後、ハンドルの位置、次にレバーの位置をセッティングすることで、自分に合った位置が見つけやすくなるだろう。また、このように、バイクに乗る前にポジションを決めておくことで、乗った時の疲れやすさを軽減することができ、リラックスした姿勢でバイクの「芯を捉える」感覚も掴みやすくなる。

最後に、マシンセッティング3つ目のポイントとして、バイクに乗る時に重要なタイヤの空気圧についても学んでおきたい。

タイヤの空気圧

タイヤの空気圧は、オフロードコースとアスファルトによって規定値が全く異なる。モトクロスという競技に関しては、土の地面を滑らず、しっかりと捉えて前に進むために空気圧は低めに設定されている。

タイヤは全く潰れていない状態が一番前に進む、というわけではなく、走った時に荷重がかかってタイヤが少し潰れることで地面を捉え、前に進みやすくなる。そして、タイヤに荷重がかかった時に丁度よく潰れるよう、路面に合わせて空気圧の規定値が設定されている。

空気圧のセッティングとしては、基本的にサービスマニュアルに書いてある規定値を参考にするのが良いだろう。規定値は車両メーカーがテストを重ねて出した値のため、信頼度が高く、初めて乗る人も安心してオフロードを楽しむことができる。 

 

 

次回予告 第3回 オフロード走行はまず〇〇コントロールから!

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