そこで左手をハンドル、右手をシートの通称「片手バック」を試してみよう。そう、バイクショップの店員さんがやっているアレだ。試す以前に『絶対に無理!』と感じた方も多いと思うが、実際にやってみると、じつはプロ技風の見た目よりも意外と簡単だ。
路面が後ろ下がりの場所はブレーキを使えなくて不安なので、まずは平たんな場所か、少しだけ後ろ上がりのところで試そう。
立ち位置は左手のハンドルと、右手をあてがったシートの中間あたりで、前進の時とは反対にバイクから離れる。身体の前面を完全にバイク側に向け、軽く腰が曲がるくらいが基本のフォームだ。この状態で車体をライダーの側に少しだけ傾けて、自分の体重とバランスする場所を探してみよう。ここで不安を感じずに安定した状態が作れれば成功したも同然。あとは左足で地面を蹴って、右手でシートを斜め下方向に押して、バイクがバックし始めるのを待てばいい。ハンドルを引っ張ると車体がフラれるので、左手は車体を支えることと、舵を切るのだけに使う(慣れるまでは動きながら舵を切らないのが安心)。
慣れや練習は必要だが、この片手バックができるようになると、後ろを見ながら行きたい方向に進めるので、取り回しが本当にラクになる。最初から無理だと思わずに、少しでも良いので試してみれば、繰り返すうちにできるようになっている。それにベテランに見えてかっこいいので、ぜひマスターしよう!