ライテクをマナボウ〈サーキットで遊ぼう!〉「サーキットに着いたら何をする?」|KUSHITANI RIDING METHOD SEASON 3 Vol.8

ついにサーキット走行会にやってきた! サーキットに到着したら受け付けをするのは当然だけど、走る準備って何をすれば良いんですか? 初参加だから緊張しちゃって、浮足立っているのは自分でもわかるんだけど……。

#08 サーキットに着いたら、まず何をする?

走り出すまでは意外と忙しい!?

サーキット走行会は、じつは走り出す前にやるべきことがたくさんあって、意外なほど忙しい。慣れないと時間に追われて慌てて走り出すことになり、余計な緊張でライディングに集中できないこともあるので、事前に準備をして余裕を持って行動しよう!

Picture of 小川勤|TSUTOMU OGAWA
小川勤|TSUTOMU OGAWA

バイク専門誌に25年ほど携わり、10年ほど編集長を経験。その間、国内外の様々なバイクに試乗。2022年よりフリーランスのジャーナリストに(身長165cm)。

サーキットに到着してから走り出すまでには、やることが意外とたくさんある!

サーキットに到着してまず行うのは、一日を過ごす「拠点づくり」。わかりやすく言えば「場所取り」だ。基本的にはパドックのピットを使うが、大きなサーキットでも1人(1台)に対してピットがひとつあるワケではないので、同じピットを何人かで共有することになる。大抵は「早い者順」だが、ピットのスペースに余裕がありそうならすでに場所取りをしている方に声をかけて一緒に使わせてもらうなど、コミュニケーションが大切だ。

それでもピットに余裕がない場合は、とくに夏場などは日差しを遮れる日陰(スタンドの下など)を探してみよう。

まずは1日サーキットで過ごすための拠点づくり。ピットはもちろん日陰などのスペースは他人と共有することになるので、まずは声がけしてコミュニケーションを図ろう!

やるべきことを事前に把握しておこう!

拠点が決まったらバイクや荷物を置いて(貴重品は必ず持ち歩くこと)、「走行会の受け付け」を済ませよう。自走参加だと走行中の貴重品の置き場に困ることもあるが、主催者が預かってくれる場合もあるので相談しよう。

走行会の参加受付。貴重品の預かりや着替える場所など分からないことがあったら何でも質問。受付時に誓約書の提出がある場合もあるので事前に確認と準備を忘れずに行い、当日の受付に備えよう。

次に済ませておきたいのが車両の「テーピング」。これは走行が始まる前に済ませておけばいつでもOKだが、慌てないように早めにやっておくのがオススメだ(ブリーフィング前に済ませておくのが良い)

車両のテーピング。走行会によってテープを主催者が用意している場合と、ライダー各自で用意する場合がある。とはいえ、テープは用意しておくと慌てることがないので、自分で準備しておくのがおすすめだ。

多くの走行会は「ライダーブリーフィング」があるので、絶対に参加すること。サーキット独自のルールや、その走行会の独自ルールがある場合もあるので、しっかり聞いて理解しよう。自分と他人の安全を守って楽しく走行するために絶対に必要なのでお忘れなく!

またブリーフィングでは先導走行などを担当するインストラクターの紹介をすることも。ちなみにKUSHITANI RIDING MEETINGでは選手権レースで活躍する有名ライダーがインストラクターを務めることもあるので、しっかり顔と名前を憶えておいて、後から走行の疑問やコツを訪ねてみよう。

走行前のライダーブリーフィングは必ず参加を。サーキットを安全に楽しく走行するために、ルールをしっかり理解しよう。インストラクターの紹介もある。

そして「レーシングスーツへの着替え」。慣れていないと着用するのに意外と時間がかかるので、ブリーフィングの前後など余裕があるタイミングで着替えよう。サーキットによっては更衣室を用意するが、順番待ちになることもあるので、とくに女性ライダーは気を付けよう。ちなみに僕(小川)はどこでもスグに着替えられるように、家からインナースーツを着用してくる。

レーシングスーツの着替えは慣れないと時間がかかる。どこでも着替えられるように、家からインナースーツを着用してくるのもオススメ。

ここまでが走行が始まる前に済ませることで、だいたい受け付け開始から1時間半~2時間くらい。余裕があるようだが実際はけっこう忙しいので、事前にやるべきことを把握して、計画立てて進めよう。

後は走行前にきちんとガソリンが入っているか、タイヤの空気圧は大丈夫かなどバイクの確認。話は前後するが、サーキットによってガソリンを販売していない場合もあるので、サーキットに着く前に直近のガソリンスタンドで満タンにしてくるのがオススメだ。

またタイヤの空気圧は、サーキット走行に適した空気圧(気温や路面温度にもよる)もあるので、タイヤメーカーのサービスが出店していたら相談すると良いだろう。

筑波サーキットコース2000で開催するKUSHITANI RIDING MEETINGでは、ブリヂストンのタイヤサービスが出店するので、空気圧やタイヤに関することを相談してみよう。

バイクトリビア

バイクにテーピングをするのは、なぜ?

サーキットを愛車(公道を走るバイク)で走行する際は、基本的に「テーピング」が必要になる。これは万が一転倒した際に、ヘッドライトやミラーなどが割れてガラスやプラスチック片が飛散するのを防ぐためだ。ガラスやプラスチックなどの鋭利な破片がコースに散らばったら、転倒したライダー自身がその破片でケガをすることもあるし、後続のバイクが破片を踏んでパンクしたり転倒する危険もあり、コースの清掃に時間がかかると走行時間も短縮されてしまう。

テーピングを行う場所はヘッドライトやテールランプ、ウインカー等の灯火類と、バイク側面の反射板、そしてバックミラーだ。ネイキッド車の場合は、走行時はミラーそのものを取り外してしまう方が良いかもしれない。

テーピングする箇所。灯火類やミラー、反射板などガラスやプラスチックのパーツはすべてテーピングするのが基本。

レースやサーキット走行ではミラーは使わないのが前提なので、鏡面はベッタリすべてテーピングするのが基本。とはいえサーキット走行に慣れないうちは、ミラーで後方が見えないことに不安に感じる方もいるだろう。そんな場合は少しだけ鏡面に隙間を残してテーピングする方法もある。ただし、その貼り方でOKか否かは走行会によって異なるので、必ず主催者に確認しよう。

後方が見えないのが不安な場合は少し隙間を開けてミラーをテーピングする方法もあるが、これでOKか否かは必ず走行会の主催者に確認すること。

ちなみに走行会によっては「走行写真の撮影」を行っている場合もあるので、カッコ良く写るためにはテープの色や貼り方を工夫するのもアリ。その場合は好みの色のテープを持参しよう。

次回予告 第9回  サーキット走行会に行く前に「フラッグ」を覚えておこう

KUSHITANI RIDING METHOD BACK NUMBER

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