ライテクをマナボウ〈サーキットで遊ぼう!〉「レーシングスーツを準備しよう」|KUSHITANI RIDING METHOD SEASON 3 Vol.4

サーキット走行に必要なアイテムはいろいろあるけれど、なんといってもレーシングスーツ、いわゆる「革ツナギ」はその代表格! 絶対に用意しなきゃいけないけれど、どうやって手に入れれば良いんだろう? 値段も高いし、まずはココが最初のハードルかも……。

#04 レーシングスーツを準備しよう

サーキット走行の最初のハードル「レーシングスーツ」

世の中には様々なスポーツがあり、大抵は「専用ウエア」が用意されている。バイクにもライディングウエアがあるけれど、サーキット走行で着用する「レーシングスーツ」は、その中でもかなり特殊な専用ウエア。もちろん着たことは無いし、どうやって選べば良いのかも分からない……。

Picture of 小川勤|TSUTOMU OGAWA
小川勤|TSUTOMU OGAWA

バイク専門誌に25年ほど携わり、10年ほど編集長を経験。その間、国内外の様々なバイクに試乗。2022年よりフリーランスのジャーナリストに(身長165cm)。

サーキット走行に必須のレーシングスーツ。どうやって手に入れる?

レーシングスーツは普段着ている服はもちろん、ツーリングなどで着用するライディングウエアともかなり異なる衣服(?)だ。ハイスピードで走るサーキットで万一にも転倒した際に、身体を守ってケガを最小限に抑える「防護」が主目的だが、スポーティにバイクを操るためには動きやすさも極めて重要。

レーシングスーツには高い防護性と運動性の両方が求められる。

となると、身体にピタピタなのが良いのか、はたまた余裕のあるルーズフィットが適しているのか……その辺りが良くわからない。

しかもインターネットなどで調べると、価格もけっこう高いので「とりあえず一着」というノリでは購入できない。というワケで、レーシングスーツを手に入れるには、いろいろな意味でハードルが高いのが事実だ。

まずは専門店でスタッフに相談

世の中の商品の多くは、いまどきはインターネットで購入する方が価格が安くて簡単かもしれない。しかしレーシングスーツに関しては、ネット購入はあまりおススメできない。

前述したように、最大の問題は着用した際の「フィット感」。初めてレーシングスーツを着た人は、それが本当に自分の身体に合っているのかもよくわからないハズ。なので、初めてレーシングスーツを購入するなら専門店でキチンと試着して、レーシングスーツに精通したスタッフに相談するのが間違いないだろう。

全国で展開するKUSHITANI PROSHOPなら、専門スタッフがレーシングスーツのフィッティングやオーダーに対応。

価格も様々だが、「万一の時に身体を守るために着用」するモノというのを忘れずに。近年はネットオークションやネットフリマで中古品も出回っているが、安価だからという理由で手を出すのはおススメできない。

必ず試着し、愛車のタイプも考慮しよう

たとえばクシタニのレーシングスーツはデザインや仕様で8バリエーションあり、18種のサイズを用意している(メンズ用。レディス用は3サイズ用意)。しかも袖や裾の長さ、胴回りなど細かなサイズ直し(料金別途。一部の海外生産モデルを除く)も可能。まずは店頭で試着して、専門スタッフに相談しながらもっとも自分に合ったサイズを選び、さらに細部のサイズ直しをすれば、ジャストフィット間違いなしだ。

クシタニのレーシングスーツは多彩なサイズを取り揃え、袖丈や胴回りなど細部のサイズ直しにも対応。

また、バイクの種類によってもレーシングスーツのフィット感は変わる。たとえば上半身が起きたアップライトなライディングポジションのネイキッド車なら、少し身頃が長めの方が身体の自由度が大きく運動性も高くなる。反対に前傾姿勢の強いスーパースポーツ系の場合は、身頃は短めで伏せたポジションの時にダブつかない方が、フィット感が増してライディングフォームが作りやすかったりする。この辺りも愛車の種類などをキチンとスタッフに伝えれば、適切にアドバイスしてもらえるだろう。

バイクのカテゴリーによってライディングポジションが異なる。ツナギを購入する際には、愛車のタイプも考慮しよう。

最初は「レンタル」もおススメ!

……とはいえ、やっぱりレーシングスーツは高価格。この先、サーキット走行を続けて楽しむのかわからなければ、購入に躊躇するのは当然かも。そんなライダーにオススメなのがクシタニが用意する「レンタルスーツ」だ。

クシタニのレンタルスーツ(カラ―やデザインが変わる場合アリ)。レンタル料金は1週間:1万4300円。レーシングスーツとセットでレーシングブーツのレンタルも行う(1週間:1万6500円)。

レンタル初回はサイズ合わせが必要なので、KUSHITANI PROSHOPで登録を行い、受け取りは店舗または自宅に郵送。レンタル品は数に限りがあるので、可能な限り早めに申し込むのがオススメ。返却は店舗でも郵送でもOKだ。

レーシングスーツの他にも、スーツとセットでレーシングブーツの貸し出しもある。ちなみにスーツのニーセンサー(ヒザに貼り付けるスライダー)は含まれないので、ヒザ擦りしたい人は別途購入しよう。

そしてレンタルで気になる大きな心配事が「もし転倒してスーツを傷めてしまったら……」だが、どんなキズや破れでも上限1万円の負担でOKなので万一の際も安心だ。

脱ぎ着と着心地に慣れておこう

さてレーシングスーツが用意できたら、後はサーキットを走るばかり!! ……だが、じつはレーシングスーツを着たり脱いだりするのは、慣れないとけっこう大変。またクシタニのレーシングスーツのレザー(革)はスゴくしなやかなバイク専用皮革だが、それでも普段着やテキスタイルのライディングウエアとはかなり着心地が異なる。

レーシングスーツの脱ぎ着は慣れないと大変なので、事前に練習(?)しておこう。

なので購入やレンタルでレーシングスーツが手元に届いたら、いきなりサーキットで着用するのではなく、まずは自宅で何度か脱ぎ着してみたり、近隣を愛車で走って着用感に慣れておけば、サーキット走行で違和感なく楽しめるだろう。

バイクトリビア

いつかはオーダースーツを着たい

せっかくレーシングスーツを購入するなら、愛車のカラーリングと合わせたり自分の好きな色を使った「オーダースーツ」を着たい……と思うハズ。そんなライダーの要望に応えるのがクシタニのオーダーシステムだ。

クシタニが現在販売している既製品のレーシングスーツは(一部の海外生産品を除く)、別途料金でそれぞれのデザインパターンの革の色を、多数用意したカラーの中から自在に選べ、ネーム入れも多彩な書体を用意している。

PCの画面上で、レーシングスーツのモデルとデザインを選択したうえで、デザインパターンごとに色付けできるカラーオーダーシステム。今後はユーザーがWEB上で体験できるシステムを構築中だ。

現在は店頭でのレーシングスーツのオーダー時での対応だが、今後はWEB上でカラーを選んだりネームを入れて自分だけのレーシングスーツを作って楽しめるカラーオーダーシステムも導入予定。いろいろ試して「いつかはオーダースーツ」の夢を膨らませるのも楽しいだろう。

次回予告 第5回  初めてでも楽しめる走行会を探そう!

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