ライテクをマナボウ ♯03 足着き性は解消できる!|KUSHITANI RIDING METHOD

スポーツバイクは総じてシートが高い、すなわち足着き性が良くない。だから停車中は両足ツンツンで、つねに立ちゴケの恐怖と戦っている……というライダーも多い。足着きに自信を持って不毛な時間を無くすには、バイクを直立させないのがコツだった!?

両足ツンツンがいちばん危険!

クルーザー系(いわゆるアメリカンタイプ)を除けば、スポーツバイクはシートが総じて高い。大型車はもちろん、250ccクラスでも小柄なライダーだと足着き性に不安を覚えることがあるだろう。ビュンビュン走っていて転倒することは滅多に無いけれど、停車中の「おっとっと!」で立ちゴケしたことのあるライダーは多いハズ。そこで今回は、停車中の足着きについて考えてみよう。

小川勤|TSUTOMU OGAWA
小川勤|TSUTOMU OGAWA

バイク専門誌に25年ほど携わり、10年ほど編集長を経験。その間、国内外の様々なバイクに試乗。2022年よりフリーランスのジャーナリストに(身長165cm)。

まず、街中の信号待ちなどで目にするのが、両足ツンツンで車体を直立させているパターン。理屈の上では直立させるのがもっとも「軽く支えるコツ」だが、じつはこの直立こそが、どちらに倒れるかわからないもっとも不安定な状態なのだ。

そこで停車中は左足をしっかり接地させ、車体をほんのわずかに左側に傾けて支えるのがオススメ(右足は停車中にブレーキペダルを踏んでいるため)。カメラの三脚をイメージするとわかりやすいが、3点で互いに支え合う(バイクの場合は前輪・後輪・左足の3点)のが、もっとも安定するからだ。

車体直立で両足ツンツンが、もっとも危険!

とくに車重があるバイクだと「少しでも傾いたら支えられない」という不安から、車体を直立させようと両足ツンツンで頑張るケースが多いが、じつは「直立=どちらにも倒れやすい」という、もっとも不安定な状態だ

車体をわずかに左側に傾けて、左足でしっかり支える
足つきの悪いバイクでの停止は、腰をずらしてバイクを気持ち斜めにするのが正解

前後のタイヤの接地点と左足の「3点」で支えるのが安定の秘訣。かなりの重量車でも数度の傾きなら耐えられないような重さではないし、右側に倒れる不安がない分、精神的に緊張せずに済む。また右足をステップに載せて足と車体を密着させると車体との一体感が増して、フラつきを抑える効果もアップする。

できるだけ腰をズラそう
腰のずらし方をマスターすれば、足つきの悪いバイクも怖くなくなる

小柄なライダーや足着きに自信が無い人は、停車して左足を着いたら、さらに座り直してできるだけ腰を左側にズラそう。少しでも膝に余裕が生まれれば、風や振動で車体が揺れた時でも不安が少ない。

足の着き替えは、円運動で勢い良く!

赤信号などで停車したら、右足はステップ(リヤブレーキ)で左足を接地。とはいえ信号が長そうだったら、クラッチ握りっぱなしはツラいからギヤをニュートラルにしたい。それには足の着き替えが必要だが、これも小柄なライダーにはなかなか大変な動作だ。
両足ツンツン状態で車体の重心を左から右側に移し、そーっと左足を上げてギヤをニュートラルに。その後もそーっと左足を伸ばして両足ツンツンで保持し、信号が青になりそうなタイミングで再び「そーっと」を繰り返す。文字で見るとコミカルだが、ライダー本人はかなり緊張を強いられるし、立ちゴケの危険も大きい。

そこで足の着き替えは「円運動で勢い良く!」を試してみよう。この方法は両足が宙に浮く瞬間があるので不安に思うかもしれないが、じつはバイクは直立付近で車体が立った状態を1秒くらい維持できるのだ。これは落ち着いて臨めば、意外と長い。

いきなり路上で試すのは勇気がいるだろうから、安全な駐車場などで仲間にサポート(横に立って万一の際に支えてもらう)してもらいながら練習してみよう。数回試すだけで愛車の動くスピードや時間的な余裕が理解できるので、けっこうスグに慣れるだろう。

1.左足で地面を蹴り出す
足つきの悪いバイクの信号待ちの方法

ヒザが少し曲がるくらい左足をしっかりと接地させておき、そこからポンッと勢いよく地面を蹴り出して車体を起こす。この時点では右足はステップに載せておく。

2.両足が浮いてもスグには倒れない
シート高の高いバイクに乗るときは、こんな裏技も

車体が直立方向に起き上がる過程で、腰を右側に円運動で移動させながら、右足をステップから離して着く用意をする。両足が地面から浮いても、1秒くらいは車体が立った状態を維持できるので、慌てなくて大丈夫だ。

3.右足をしっかり接地
背の高いバイクも、どちらか片方の足が地面に設置させれば安心して停まっていられる

右足を斜め前方に突き出すイメージで着く。それより少し早いくらいのタイミングで左足をステップに載せると車体が安定する。この状態で足着きが不安なら、腰を右にズラして座り直してしっかり右足を着き、車体をわずかに右に傾けた状態で安定させよう。車種や体格によって安定する場所は異なるので、自分と愛車のもっとも安定する場所を探そう。

腰の移動は「円運動」
バイクに跨りながら腰をずらす方法とコツ

足の着き替えで腰を左右に移動する時は、燃料タンクの後端に股間を沿わせるイメージで「円運動」して腰をズラそう。真横方向に移動するとフラつく原因になるので要注意。車種によってステップが邪魔になる場合もあるが、足は真横ではなく少し斜め前に着く方が安心・確実だ。

足の着き替えナシで信号待ちする裏技がある!?

そうはいっても、やっぱり足の着き替えが苦手……という人もいるだろう。そこで長い信号待ちなどはキルスイッチを活用。停止したらすかさずキルスイッチをOFFにしてエンジンを止めてしまえば、クラッチレバーを握り続ける必要が無いし、ニュートラルを出さなくても良いので足の着き替えも必要ない。ハンドルから両手を放せる上にギヤが入っているので車体が前後に動かず、料金所での支払いもラクだ。

とはいえサイドスタンドを出すときは足の着き替えがどうしても必要になるが、極力回数を減らせるに越したことはない……という方には、かなりオススメな方法だ。

停止したらキルスイッチを切るだけ
バイクのキルスイッチの役割と使い方

停止したら直ちにキルスイッチをOFFにしてエンジンを止める。そして信号が青に変わりそうになったらクラッチレバーを握り、キルスイッチをRUNに戻してエンジンをかければ、ギヤは1速に入ったままなのでそのまま発進できる。

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